第一部
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なな
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在している可能性もあるが、小鬼や豚面鬼などといった亜人種、ないしはモンスターと呼ばれる存在が闊歩しているのだ。どう好意的に見積もっても、私たちはそちらの部類に分けられる可能性の方が高い。
総括的に考えると、現地人と接触すればこの力を知られることになる。そして、それを使っているのは見た目化け物の亜人、もしくはモンスターの私だ。
まず間違いなく、この力を欲する者が出てくる。すると、それを使っているモンスターを討伐するために戦闘のプロが訪れ、必然的に戦うことになるだろう。
もちろん、私は負けるつもりも殺されてやるつもりもない。
私の討伐に失敗すれば次が送り込まれてくる。最終的に諦めてくれればいいのだが、それまでに一体何人と死闘を繰り広げる羽目になるのか、皆目検討もつかない。
私は別に、狩りを積極的に行いたい訳でもないし、当然、知的生命体であり、前世と同じ姿形をした人間を狩るつもりもない。
向こうから仕掛けてくるというのであれば、こちらも自衛のために戦わねばならないだろうが、出来ることならば避けたいというのが本音だ。
というか、いまのいままで地球人と接触するどころか、地球に行くのすら避け続け、“成人の儀”ですら、地球で行うことを避けたというのに……。
それでは、現地人と接触することも避け、尚且つ、船の修復をなるべく早く行うにはどうすればいいだろうか。
「知らないよ、そんなの……」
詰んだ……。
私は顔を両手で覆い項垂れる。
1週間前までの、自由を享受しようと浮かれていた自分をぶん殴りたい。
背凭れも直さなきゃいけないし、もうやだ……。
まずは現地人と接触することなく材料や情報の収集を行い、ある程度の船の修理に必要な物や時間の目処を立てる。
あと背凭れを直す。
まずは応急処置でもいいので、ある程度の距離を飛行できるようにし、絶対に見つからない場所へ移動する。
最悪、遠隔操作で船だけ隠し、私は後でそれを追えればいいだろう。
それと背凭れを直す。
あぁ……。私はこの1週間何をしていたの言うのだ。1日どころか、1分1秒ですら無駄にできないではないか。
何が「暢気にその日暮らしを謳歌している」、だ。
そんな暇があったのなら、背凭れくらい直せたじゃないか。
違う、そうじゃない。
背凭れは別にどうでもいい。
いや、良くないが、いまは置いておこう。
取り合えず、頭を悩ませることがあった、それに気付けたという点で、いまは良しとしよう。大切なのはこれからだ。
何度か弄ってはいるが、もう一度エンジンを調べて異常がないかの確認だ。もしかしたら見落としている箇所があるかもしれない。
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