episode8
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た〈青眼の白竜〉のモニュメントを横目に見つつ、案内役らしい黒服に連れて来られたのは、かなり大きな倉庫だった。
「……此処、ですか?」
「いえ、さらに地下に降りてもらいます」
果たして何が待っているのだろうか、恐々としながら倉庫に入って行くと内部には何の用途に使うのか解らない機械がズラリと並んでいた。 もの珍しそうに見ていたら、楓さんたちに置いて行かれそうになったので焦りつつ、急いで彼らの後をついていく。暫く歩いた後、 エレベーターに乗せられ、グングンと下へと降りていった。そして、扉が開き、目の前に広がったのは白い円柱状の機械だった。 内部では、何かがグルグルと高速で回転し、虹色の光を放っていた。
「まーわーるんーですー!」
「ひっ!?」
いきなり現れた眼鏡に白衣と、見るからに研究者然とした男が喜色の色を浮かべながら、ペラペラと聞いてもないのに喋り始めた。 その勢いは、さすがの楓さんでも引くほど。
「回るからこそーこのドミノ町はすべからく無限のエネルギーを生み出しますー! その名をモォーメントォー! いまだ開発段階でありまーすがっ! 究極のエネルギー発生システム、モーメントを生み出し、グルングルンと回りながら、現に海馬ランドの電力を全て賄っておりまーす! 」
男は、華蓮たちが見上げる円柱型の装置『モーメント』をグルングルンと腕を回し、くるくると回りながら、激しいボディーランゲージと共に熱く語り続ける。
「この回転は、かのデュエルディスクを発展させー、ソリッドビジョンを新たなステージへと飛躍させるのですー! これが完成した暁には、モォーーメントの恩恵が、人類を大いに発展させるのであ・り・ま・す !!」
時間にしておよそ40秒。 グルングルンと激しく回りながら、研究者風の男はゼェ、ハァ、と荒い息を繰り返していた。 それでもなお視線で『モォーメントは、凄いんですっ!』と訴えかけてくるので一周して引く。 この場には、ガードマンを除き私と楓さん、そして目の前の研究者しかいないため、どうすればいいのか困惑していると私達が入って来たのとは別のスライド式ドアが左右に開き、白衣を羽織ったツンツン頭の男性が遅れてすまないと謝罪を述べながら入室してくる。 そして、私達二人と目の前で息を切らせている研究者を交互に見やると額に手を当ててため息を吐き出した。
「お、おお! 博士、ようやく来ましたか。 危うくモーメントについて語り尽してしまうところでしたよ」
「またか……」
頭を痛そうに左右に振ると、ジトっと半目で阿久津と呼ばれた研究員を睨む博士。
「まったく、確かに君のモーメントに対する熱意は理解出来ないでもないが、あまりこういった事に縁のない……況してや、女性に対してあんなに熱心になって語れば、理解されるど
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