episode8
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から、楓さんはデュエルコートで何があったのかを訊ねてきた。 勿論、私はそれに丁寧に答えた。 楓さんとデュエルした事とその内容。 そして、彼女が既に光の結社の一員で、かなりの幹部格であろうこと。
やはり自分が負けた事を口に出すのは躊躇われたけど、楓さんは、それを真摯に受け止め、聞いてくれた。 それで先の発言である。
「……あんなの打つ手がないですよう」
「まぁ、話を聞く限りそうですよねぇ。 手札を減らされ、選択肢を狭められたところに宣告者による不意打ち。 見事としか言いようがありませんね」
互いにマグカップを傾け、ふぅと一息。
完封されたのは確かに悔しいけど、相手のが一枚上手だったのは確かだ。 それは認めざるを得ない。 けど、何をどうすれば勝てたかと言われるとどうしてよかったのかわからない。
「……やはりそろそろ限界が来ました、かね」
「うっ……」
何となくそうなるだろうとは思っていたが、実際に言われると辛い。 ガックリと肩を落としていると、楓さんが続けて言った。
「ですから、レベルアップをしましょう」
「けど、私……アレ以上変えられるとは思いません」
展開力重視に、融合型に、バーン型そして、儀式型と色々と型を変えてはその都度デュエルに挑んでいるが結局のところ同じだと思う。 けど、楓さんから返ってきた言葉は私の予想を裏切った。
「えぇ。ですから、新たな力を手に入れるんです」
「え……?」
〈真紅眼〉以外ということだろうか……?
そんな考えを他所に、楓さんに真剣な眼差しを向けられ背筋が伸びる。
「……一応、聞いておきますが。 貴女は一度負けたまま、泣き寝入りするような柔なデュエリストじゃあないですよね?」
「……ハイ!」
答えはイエスだ。 葵さんに勝ちたい。今はそれだけだ。
楓さんはニコリと笑うと話を続けた。
「そうですか。 その意気ならテストは間違いなく合格するでしょうね」
「……て、テスト?」
「えぇそうですとも。 明日早朝、KC社へと飛びますんで覚悟しといて下さい」
KC社……海馬・コーポーレション!? なぜあんな超が沢山もつく大企業に向かうのか、まるで訳がわからない……!
戸惑う私の腕を強引に引き、ずるずると引きずられていく!
「詳しいことはまた明日! 今日は明日に備えて睡眠あるのみです!」
「えっ……えぇぇぇぇ?!」
* *
そして、翌朝の早朝。 ヘリに乗せられ、KC社……ではなく、海馬ランドの開発区。 親を持たない子供たちの建てられた海馬ランドだが、アミューズメントパークとして機能を持つ一方で、様々な実験等を行っているらしい。 デカデカと飾られ
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