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東京百物語
カミテにいる女
六本目
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「ハイハイ」



 日紅は青山の頬をびろんと引っ張ってからぱちんと離した。彼を至極の宝珠と讃える美術教師が見たら間違いなく卒倒しているだろう。



「で、そのノリトってのを聞いたからあたし霊感出ちゃったの?」



「いや…どうかな。もしかしたらそれは切っ掛けに過ぎなくて、本当は僕のせいかもしれない」



「清の?なんで」



「ほら、良く聞かない?霊感強い人の近くに居ると、霊感強くなるって」



「へぇー…ん?そ、それで、清サマ、あなた様の霊力はいかほどで…」



「聞く?」



「怖いのでやっぱやめときますっ!」



「それがいいね」



 青山はキラキラと笑顔を振りまいた。
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