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SAO−銀ノ月−
第百五話
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色々あってな」

 セブンの衣装はかのSAOでのカリスマ裁縫師、アシュレイさんに頼んで作ったものだ。同じく水着コンテストで知り合った彼女――彼女? とにかく彼女に頼んで、シャムロックの皆様から隠れるついでに制作してもらっていた。……急な仕事と騒動の代金として、後日に武具店に顔を見せてくるそうだが。

「そんなことより、さっさと始めるぞ」

「なーに? レディーの水着姿を見て、そんなことなわけ?」

「ダメだよ、セブン。ショウキが褒めていいのはさ、その……1人だけなんだから」

 レディーというような年と外見か――とツッコミたくなった口を抑えていると、ユウキが少し顔を赤らめながらセブンを引き止める。言っていて照れるくらいなら止めておけばいいのに、と思っていると、当のセブン本人はいまいち意味が分かっていないようで。キョトンとした様子で、普段は被っている帽子がない銀髪を揺らす。

「どういうこと?」

「ほら、その……リズが、えっと……」

「あっ……あー、その……」

 チラチラとフォローを求めるようにユウキは視線をよこしてきたが、特にこちらからそれを返すことはなく。たどたどしく遠回りに直接的な表現を使わず、身振り手振りも交えて語るユウキに、ようやくセブンは彼女が何を言いたいか察したらしく。

「ショウキとリズって……そういう関係なの?」

「じゃあ、まずはこれを使うか」

 照れたような表情がユウキから感染した、セブンの小さな声の質問をまたもやスルーしながら、俺はストレージから二つのアイテムを取りだした。それは軽装戦士が片手に装備する、小さな盾のようなものであり。

「……何ソレ? 盾?」

「ビート板だ」

 余った資材で制作したビート板が二つ。……何故か手持ち部分が日本刀の柄になっているのは、制作者の遊び心ということにしておくとして、それらを不思議がる二人に渡す。

「へぇ、これがねぇ……」

 興味深げにビート板を眺める二人。天才少女として、VR研究家にアイドルと過ごしてきたセブンにとって、こうした物は珍しいのであろうか。同じようなリアクションをしているユウキはどうなんだ、という話であるが――詮索するようなことでもない。

「とりあえずそれ持ってれば水に浮く。まずは、ビート板を持って泳ぐところからだ」

「はい!」

 返事だけは立派なもので――ようやく揃って移動すると、底まで見通せそうな円型の水場が俺たちを迎える。やはり水場の近くとなると緊張でもするのか、二人の表情に緊張の色が混じる。

「け、結構深いわね……そういえばショウキ、水中で移動出来るようになる魔法、って使えるの?」

「溺れなければいいんだろ?」

「…………」

 セブンからの質問にノータイ
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