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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第10章 エル・ファシル掃討作戦 後編 @
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える
そして、遠くに帝国軍の兵士が前進してくるのが見える
指揮官は相当な実戦経験を持つようで深長に警戒しながら前進してきた
私たちが待機する廃墟の前には少し広がった十字路の交差点がある。
がれきの中で待ち構える。
無線から
「ターゲットまでの距離300mを切りました。」
分隊指名特級射手のアンナ・シュトリンガー兵長が緊張気味な声で報告してきた。
私は
「了解した。
まだ撃つなよ。」
兵長は
「りょ、了解!」
と相当緊張しているようだった
私は
「アンナ兵長。俺の声が聞こえるな?」
兵長−「はい。」
私−「それならおちつけ。君は優秀な射手だ。大丈夫だ。」
兵長−「了解しました。中尉」
野戦憲兵小隊は実戦も行うが結構な割合で実戦未経験の隊員がいる。
このアンナ兵長も例外ではなかった。
しかし、隣にいる奴は違った。
その名もオスカー・アルント少尉
奴は私と同盟軍一般志願兵訓練課程同期の工兵士官だった。
大佐は少ない兵力の中から士官1名下士官・兵士9名計10名を私の指揮下に入れてくれた。
しかし、後方支援連隊なので工兵、補給兵はたまた衛生兵までいた。そういうこともあり生粋の陸戦兵士はいなかったが大佐の指揮下の兵士は普通の陸戦兵士には及ばなものの警備部隊の兵士くらいまでの技量は訓練されていた
その10人と合流したとき先頭にいた士官がオスカーだったのを見た私は奴と再会を喜んだ。
私は奴が第100後方支援連隊の第12分遣工兵隊指揮官として北部大陸の山岳雪中戦へ向かっていたのを知っていたがそこは激戦地中の激戦地である工兵部隊が壊滅したという情報記事を見てもしかしてと思っていたが奴の部隊ではなかった。
そいつは隣でM-11ライフルを構えて待ち構えている。
アンナ兵長が
「ターゲットまでの距離150m!」といったので
私は
「射撃用意!」
と言って大きく息を吐く
経験豊富そうな斥候兵士にライフルスコープの照準を合わせる。
アンナ兵長が
「きょ、距離100m!!」
といった瞬間に
「照準!」
そして
「射撃5秒前
5・4・3…」
数秒が長く感じられる
「2・1・発射!」
私は引き金を絞る
その斥候兵は胸部に空いた自分の傷口を見て絶叫するまもなく倒れた。
一斉に銃撃が開始された。
次のターゲットに狙いをつける。
とにかく死に物狂いで打ちまくった。野戦憲兵の隊員たちも撃ちまくっていた。
銃撃戦開始から20分後。帝国軍は退却していった。
私は司令部に敵撃破を報告すると司令部から新たな任務が来た。
それは攻勢命令であった。
どうやらここからさらに1q程敵を押して、民間人救出と通信基地の奪取を行う。
私は損害の有無を確認し、定められた時間まで待機することにした。
その間で朝食を済ませ
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