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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十四話 裏腹
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期だし、家族のことが大好きだって心の底から思っている時期だ。
将来の夢や目標、それに向けた努力を家族と一緒に考えたりできる時期に、その全てを失った。
そして犯人を捜すために管理局に入隊という道しか選べなかった彼は、一体どれだけ重たい荷物を背負ったか。
柚那は雪鳴と、そして家族や門下生の人たちと共に成長した。
支え合う仲間と共に努力し、皆で一緒に少しずつ前に進めた。
そんな柚那達の五年間を黒鐘はたった一人、帰る場所を失い、後悔に押しつぶされそうになりながら耐え、変わることすらできずにいたのだ。
一体どれだけ悩み、苦しみ、自分を呪っただろう。
その苦しみは、先ほどの彼の言葉からもハッキリとわかる。
――――『もう、嫌なんだ。 大切な人が、俺の目の前からいなくなるのは、嫌なんだ……』。
あの言葉から感じた、あまりにも深い所にある感情。
それは彼が積み重ねてきた五年間の想いに他ならない。
「お兄、ちゃん……」
そして彼は今も変わらず……いや、これまで以上に自分達のことを大事に思ってくれている。
そんな彼を敵対視してしまったことは強い後悔だった。
「お兄ちゃんって、久しぶりに聞いた」
雪鳴は懐かしむように微笑し、柚那を見つめる。
そう言えば五年前からいつの間にか、こうしてお兄ちゃんと呼ぶことをやめていたと今更になって自覚する。
それも結局、彼を忘れるための小細工だった。
でも今は、彼に対して正直な想いを伝えたい。
「お姉ちゃん」
「うん」
「アタシ、お兄ちゃんに許してもらえるかな?」
「もちろん」
雪鳴は自信を持って即答する。
――――同時に、巨木の方から轟音が響き渡る。
それは巨木によるものではなく、
「だって黒鐘、柚那を傷つけたアレに対して怒ってるから」
そう言って雪鳴と柚那は見つめた。
黒鐘が戦う、その姿を――――。
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