第一部
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ご
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。
あいつの行動は決して誉められたものではない。
パニックに陥って自滅した。勇気でもなければ蛮勇とすら呼べない。
何が面白いのか、いまだゲラゲラと笑っている大きな小鬼。
腰を抜かして地面にへたり込んでいる小鬼に大股で近付き、その剣を振り上げた。
刹那、大きな小鬼の頭部が跡形もなく弾け飛ぶ。
名誉やら誇りやら、正直いって私自身よくわかっていない。むしろ古くさいとさえ思ってしまうし、それが種族の生き方として正しいと、何よりも大切だとされていることに関して、いい迷惑だとさえ思っている。
だからといって、全く共感できない訳でもないし、まあ、少しだけそんな真っ直ぐな生き方を格好良いとも思わなくもない。
自分もそう在りたいかと言われれば否と答えるし、そう在れと言われても、全力で拒否はするが。
ただまあ、戦いを生業とする者として一つ。
「ささやかな矜持くらいは持つべきだな」
ぐらりと、うつ伏せに倒れ込む姿に何の感慨もいだくことなく、ヘルメットを通して、赤く回転する三角形の3つのロックオンサイトを次の標的へと定める。
手前の軽鎧を着込んだ1匹と、その直ぐ隣の1匹。最後は弓を構える1匹だ。
左肩アームに搭載された3門のプラズマキャスターが、1秒にも満たない間隔で唸りを上げる。
威力はかなりのモノだが、弾速が遅いのが欠点のプラズマキャスターだ。しかし、何が起こったのかも分からず、その場で締まりのない顔をして、棒立ちになっている3匹が避けられる訳もない。
蒼く輝く光弾は、寸分違わずにロックオンした3匹の頭部を軽く吹き飛ばす。
内の1匹、バーサーカー種族が有するプラズマキャスターを浴びることとなった、弓を構えていた大きな小鬼は、胸部辺りまで消し飛んでいた。
さて、残り1匹。
やっと自分が置かれた立場というものが理解できたのだろう。大きな小鬼は叫び声を上げて、小鬼達を嗾ける。
大方、敵を探せとでも叫んでいるのだろう。というか、弾道から敵の位置くらい割り出すことを考えろ。
もっとも、私の光学迷彩装置はかなりの情報を読み込ませており、都度最適化しているため、そう簡単に見破れるほどの柔な擬態能力はしていない。
私を倒したければ同族か硬い肉でも連れてこい。
私は木から飛び、地面に降り立つ。その際に膝をしっかり曲げて衝撃を吸収し、爪先だけで着地して極力音を消す。
浮き足だって騒ぎ立てている様子から、多少の音がしたところで気付かないであろうが。
ゆっくりと歩き、わざと足音を立てながらヘルメット内にある光学迷彩(
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