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転生とらぶる
機動戦艦ナデシコ
1307話
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達の救助である以上、それを大前提にする必要もあるのは事実だな? 例えば、いやがる生き残りの面々を強制的にナデシコに乗せて地球に連れて行くとか」
「ええ。それに、そんな真似をすればナデシコの運用に致命的な騒動が起きる可能性もありますから」
「だろうな」

 木星蜥蜴が占領している火星の中で生き残っていた者達だ。色々な意味で突き抜けている奴がいないとも限らないし、実際見た感じだとそんな奴も多そうに見える。
 そもそも代表のイネスからして、どこか超然とした雰囲気を持っているしな。
 そんな連中を強引に連れて地球へと向かった場合、下手をすれば帰る途中にナデシコが内部から爆発! ……という可能性にもなりかねない。
 で、当然そうなればナデシコの乗員は全滅だろう。
 いや、俺は生き残るし、最低でもハルカとエリナ、そしてルリは助けるつもりだから全滅にはならないか? でも、被害が出るのは確実なんだよな。
 そんな真似をしないようにするには、どうすればいいのか。
 それこそが、このブリッジに来る途中でエリナと話した内容だ。

「避難民は、ナデシコに乗りたくない。そしてネルガルとしては避難民がいると知った以上は会社のイメージ的な問題もあって見殺しには出来ない。そして避難民が望んだ、シャドウミラーに対しての亡命も俺としては認める事が出来ない。それらを考えて出した俺の結論は、このネルガルの研究所を拠点として火星をシャドウミラーで押さえるという事になる」

 その言葉に避難民を代表してここにいるイネスは特に表情を動かした様子はない。
 それこそどっちでもいいと言いたげな、そんな様子だ。
 逆に、テンカワの方が嬉しさを素直に表情に出している。
 テンカワにとっては避難民は自分の同胞だしな。嬉しくなるのも無理はない、か。
 だが、その嬉しさを遮るようにしてプロスペクターが口を開く。

「ちょっと待って下さい。ここはネルガルの研究所なのですよ? それを勝手に拠点にされては困るのですが」
「プロスペクターの言いたい事も分かるが、現状ではこの研究所をネルガルは使っていないだろう? それどころか、火星そのものが木星蜥蜴によって占拠されている以上、あってもなくても同じ……いや、寧ろ俺達が拠点として使った方が、ネルガルのイメージアップに繋がるんじゃないのか?」
「それは……」

 スキャパレリプロジェクトで判明した避難民をネルガルの研究所にあるシェルターに迎え入れたというニュースを地球で流せば、確実にネルガルの企業イメージは上がるだろう。
 それこそ、前ネルガル会長が色々とあくどい人物だっただけに、企業のイメージアップはしておいて困る事はない筈だ。

「それに火星を俺達シャドウミラーが押さえるという事は、地球やネルガルにも色々と利益がある」


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