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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百二九幕 「刹那を見切れ!」
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、可愛いフリルのついたミニエプロンを着たウェイターさんがものすごくいい笑顔で通り過ぎていく。あれはアカン。背中から噴き出す圧倒的な闘気が魔王みたいな形になってペルソナってる。
「んっん〜〜〜……お客様ぁ?ちょーっと表出ましょうかぁ?」
「あ」
「う」
「お?」
数分後、そこには粛清された上に備品の修理代をもぎ取られた哀れなイタリア人が3人、石畳に転がっていた。どうして3人ともヤムチャスタイルで倒れてるんですかねぇ。もしかしてドラゴンボール大好き国家ですか?
「ど……DB好きにあらずんば地球人類に非ず、だぜ……」
「し、しかし……ベル坊はそんなに好きじゃなかった気が……」
「つまりベル坊は地球人じゃなくてサイヤ人……?ベル坊のおしりからお猿さんの尻尾………ふひゅひゅ」
「アングロ、笑い方が気持ち悪い」
「ぐはぁぁぁーーーーーーーーーーーッ!!!」
ベルくんの素の一言がアングロちゃんの急所に当たったぁぁぁーーー!!効果は抜群だッ!!………抜群過ぎて精神がこなみじんになって死んだのか、それっきり彼女はピクリとも動かなくなった。
私もベル君に気持ち悪いって言われたら精神的なショックでマインドブレイクされて立ち直れないかもしんない。漠然とそう思った。
……数分後、言い過ぎたと思ったベルくんになでなでされて蘇生した。ベルリウムの力もあるとはいえ、この人チョロい。
= =
逢魔ヶ刻の不気味な夕焼けが世界を埋め尽くす時間―― 一人の人間と一頭の獣が、対峙していた。
荒々しい息を吐きだし、低い姿勢からじりじりと間合いを詰める漆黒の暴走特急のギラつく目が、相手の人間を捉えて離さない。それは生存本能であり、闘争本能であり、「打倒して勝利する」という非常に刹那的な欲望に付き従っているが故。
そこに迷いや躊躇いといった概念は一切存在せず、ただ純粋な敵意だけが静かな森を伝播する。
一方、対峙するのは静かに構える若い青年だった。やわらかそうな印象を受ける茶髪を微かな風で揺らしつつ、森特有のまとわりつくような不快な湿度にも眉一つ動かさない。呼吸は静かに、下手に動かず、しかし退く様子は微塵も見せない。
彼は野生動物ではないが、内に秘めた生存本能と闘争本能は獣のそれに劣らない。それが証拠に彼の瞳は獣に負けず劣らず『飢えて』いた。勝利への渇望、生存への執着。戦闘に必須な精神の全てを総動員したまるで隙のない構え。
二つの生物の決定的な違いは一つ。
狂おしき戦闘本能を抑えるのが理性かどうか――それだけだ。
「決着をつけよう――勝負だ」
「ブルルルルルルルル………!」
獣の本能も、その言葉に応える。直感が告げるのだ、次の一瞬で全てが決まると。
「………………
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