第一部
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よん
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なく、「ギャギャ!」などと声を上げている様子を見ると狩猟に関わらず、戦いにおいてかなりの素人と伺える。
あれが誘き寄せるための罠だとしたら、あの2匹は間違いなく命を落とすだろう。
更に、なんの疑問も持たずに血濡れのうさぎを見付けて小躍りしているではないか。
うさぎの死体に近付き、耳を持って上に掲げる様は、運が良かっただけなのにどこか誇らしげだ。
怪しさ満点なのにも関わらず、死体の検分すらも行わない。頭部の跡を見れば、それが動かぬ死因であることは火を見るより明らかであり、うさぎほどの小動物といえども、そこから鋭い刃物で一突きにされていることや、抵抗の跡がなく即死であることなども分かる。
まず間違いなく人為的な仕業であることは、疑う余地すらない。
以上のことから、2匹の小鬼が若い個体であり、未熟であるからそういった警戒心が薄いのか、種族としてその程度の知能レベルということなのかが分かった。
一番危険度の高いケースであれば、この辺りをテリトリーとしており、規模の大きい集団、もしくは己よりも強い個体に庇護されており、必要以上に警戒することもないと高を括っているか、である。
まあ、この2匹に関しては装備している物や立ち振舞いから、驚異となるレベルには爪の先程も達していないことは分かっていた。
いまだに小躍りしている2匹を尻目に、近くに生体反応がないか確認する。
すると、低音の唸るような音が森の南の方角から響いてきた。
……角笛か?
そちらへと視線を向けると、ヘルメットの機能でズームさせ、障害となっている木々が次々と透過されていく。すぐに音源であろう場所をマーカーとして表示させてから、2匹の小鬼へと視線を戻した。
2匹はちょうど角笛が鳴らされた方角へ走り出しているところで、心音をスキャンしてみれば慌てているように見受けられる。
恐らく、先程の角笛は出払っている者を呼び戻すためのモノのようだ。
距離的には1キロとちょっとと言ったところか。船を置いてある場所からもそう遠くはない。
場合によっては、残らず排除する必要がありそうだ。
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