エクシードの村
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だけ楽な姿勢にしてあげようと考えているみたいです。
「ウェンディもシリルに膝枕してあげたら?」
すると、私と隣に座っているシリルを見てシェリアがそんな提案をしてきます。シリルは頭を私の肩に乗せて、静かに寝息を立てて眠っています。確かにレオンみたいに膝に寝かせてあげるのもいいかもしれません。なんだか恋人みたいですし。だけど・・・
「こっちの方がいい・・・かな?」
私はあえて今の状態を選びます。膝枕すればシリルは喜んでくれるかもしれないし、そうなったら私としても嬉しいです。でも、今は彼の顔が私のそれのすぐ真横に来ています。つまり、私も彼の方に少し体重を預ければ、完全に密着することができるんです。
それに、肩と肩はすでにピッタリとくっついているから、相手の体温が伝わってくるのを感じます。前まではそれだけでドキドキしてましたけど、最近は慣れてきたのか、いつまでもこうしていたいと考えるようになりました。
だから、今日のところはこのまま、少しでも彼の体温を感じていたいと思います。
「えぇ。こっちにした方がいいよ。ほら」
シェリアはそう言うと、自分の膝に頭を乗せて目を閉じているレオンの頬を人差し指で突っつきます。
「んん・・・」
一瞬目を覚ましたかのように思われたレオン。でも、彼は何事もなかったかのように再びスヤスヤと落ちていきました。
「ほらほら」
それで調子に乗ったシェリアは何度も何度も彼の頬を突っつきます。レオンの頬はプニプニとしていて、シェリアもとっても楽しそうです。
「シェリア・・・そんなことしたら起きちゃうよ」
でも、彼女がそんなに彼の頬で遊んでいては、さすがに起きてしまうと思った私はそう言います。
「大丈夫だよ。レオンは何しても起きないもん」
だけどシェリアはそれを聞き入れてくれません。ちょっと羨ましいような気もするけど、シリルにはそんなことできないな。だって起こしちゃったら悪いもん。
「フフッ。レオンのほっぺ柔らか〜い♪」
幸せそうな笑顔で、口を閉じて真面目そうな寝顔をしているレオンをなおも突っついているシェリア。でも、そんな彼女に悲劇が起きました。
ムニムニと頬を触っていたシェリアの指をレオンが・・・
パクッ
眠ったまま食わえてしまいました。
「きゃああああああ!!」
「な・・・なんだ!?」
突然指を食べられたことで驚いたシェリアが悲鳴を上げると、私に寄りかかっていたシリルが目を開けます。
「何!?」
「どうしたの!?」
「何かあったの!?」
離れて座っていたシャルルたちも一斉にこちらに視線を向けます。運よくこの車両には他に人も乗っておらず、迷惑をかけることがなかったのは不幸中の幸いでしょうか。
「ウェンデ
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