エクシードの村
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ウェンディside
「スゥ・・・スゥ・・・」
今私たちはシャルルのお母さんたちが暮らしているエクシードの村へと向かっています。その列車の中で、隣に座るシリルはスヤスヤを気持ち良さそうに眠っています。
「フフッ。可愛い」
「ホント。やっぱり子供なんだね」
その寝顔を見て私とシェリアは頬を緩ませています。でもシリルが眠っちゃった理由を思い出すと、すごく罪悪感があるんですよね・・・
「気にしちゃダメだよウェンディ。今回のは仕方なかったもん」
顔に出ていたのでしょうか、正面に座るシェリアがそういいます。実はエクシードの村の方向へと出発する列車の発射時間にギリギリで着いた私たち。これに乗り遅れると、シェリアたちが次の留学先に向かう頃までに戻ってくることが困難になってしまうから、大急ぎで列車へと乗りました。
『危なかったね』
『うん!!でも、乗れてよかったね』
ひと安心といった感じにお話ししていた私とシェリア。その隣にレオンとシリルが乗ったんですけど・・・
『ウプッ・・・』
シリルは私がトロイアをかけていなかったから、乗り物酔いに襲われてしまっていました。でも、シェリアとお話ししていた私はそれに気付かず、思い出した頃には、シリルは意識を飛ばしていました。
『し・・・シリル!!』
『だ・・・大丈夫!?』
慌ててトロイアを彼にかけると、苦しそうに眠っていた表情が和らぎ、気持ち良さそうな表情へと変化しました。その結果が今の眠っているシリルへと繋がっている訳です。
「キタ〜!!ストレートフラッシュ!!」
「あら、残念ね。私はロイヤルストレートフラッシュよ」
「ラウはその上のファイブカードだよ!!」
「「えぇ!?」」
通路を挟んで隣に座っているセシリー、シャルル、ラウルの三人は、どこからか取り出したトランプを使って何やらゲームをしています。みんな、体とカードの比率が合ってなくて、すごく持ちにくそうですけど。
コテンッ
一瞬そっちに目を向けていると、シェリアに何かが寄り掛かっているのがわずかに視界に入り、そちらを向きます。彼女に寄り掛かっているのは、シリルと同様に眠っているレオンでした。
「うわ!!びっくりした!!」
いきなり寄り掛かられたためにビクッと驚いているシェリア。でも、レオンはそれに全く気付いていないようで、全然目覚める気配がありません。
「レオンも寝ちゃったんだね」
「最近大忙しだからね」
レオンの頭を自分の膝の上へと誘導していくシェリア。レオンは大魔闘演武での功績と元々の知名度が合わさり、今ではフィオーレに知らない人がいないほどの有名人になっています。その結果毎日ひっきりなしに依頼が来ており、相当疲労しているであろう彼を配慮して、できる
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