第九話 自衛隊との共同作戦
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た犯人を島田は見て、「うわ〜」と、嫌そうな表情を隠さなかった。この手のトラブルは、アビス大陸でも経験した事があり、そのため心底嫌な表情となったのである。
「まさか炎龍が、この大陸にもいるなんて、どんだけなんだよ」
「知ってるんですか島田大尉?」
伊丹が、島田に質問する。
「ええ、嫌というほど……」
そこで島田は伊丹を含めた自衛隊の面々に説明した。先ず、この世界の龍の扱いは強靭な鱗に覆われて、飛行も可能であるため、強者の部類に属されるが、炎龍というのは古代龍に分類に属され、その戦闘力は、他の龍の比ではないとの事。
龍の中でも最弱とされる翼龍は、古代龍の炎龍みたいに火を吐いたりはしないが、鱗の強度は12・7mmNATO弾をギリギリ寄せ付けない程であるのに対して、古代龍ともなれば、12・7mmNATO弾も普通に効かないのである。古代龍の鱗の強度は最新式の戦車並にタフであり、空戦戦闘力はVTOL戦闘機クラスであり、機動力も複葉機並にあるため、歩兵で戦いを挑むには、対戦車ロケット弾をぶち込むしか勝機はない事を伝えると、伊丹を含めた自衛隊達の面々は真っ青であった。
それはそうだろう。空飛ぶ戦車と言われても可笑しくない龍が、いま自分達の近くにいるのだから。
「どうする。一応、炎龍に対する攻撃が通用する武器はあるけど」
自衛隊が所持している110mm個人携帯対戦車弾と、アカツキ帝国陸軍が使用する7式対戦車ロケット弾が、合計合わせて三機ほど所持している。
「却下です」
「だろうな」
伊丹の答えは即答だ。炎龍は空を飛んでいる。しかも炎龍が吐く火炎放射は、範囲も見る限り広く、そんな相手に、立ち止まって撃つことが前提のロケット弾だけで攻撃するなんて自殺行為にしか思えないからだ。空飛ぶ敵に対して、誘導も出来ないロケット弾で攻撃すること事態間違っている。実際に110mm個人携帯対戦車弾も7式対戦車ロケット弾も、地上に存在するゆっくりと動く車両に攻撃する事が前提の兵器である。
「とりあえず炎龍が去るまで、何処かに隠れてよ。炎龍がいなくなったら森の中に入って救助に向かおう。生き残りがいるかも知れないし」
「そうだな」
第三偵察隊の方針は決まり、炎龍が去るまで隠れて待機する事を決定した。
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