レベル3 次世代の力を操る者は
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》を回収して?……あ」
稲紅は目をぽぅっと丸くした。
「おんなじじゃないでござる。単純に、デッキが減って、墓地と除外が増えてるでござる」
「その通りです」
夢値は目を細めた。
「《ナチュル・ビースト》の効果でデッキのカードを墓地に送り、墓地に送られた『ジェムナイト』モンスターを除外して、《ジェムナイト・フュージョン》を回収する。これを繰り返すことによって、デッキのカードを大量に墓地に送ることが出来ます。」
「確かに、《ナチュル・ビースト》でデッキから墓地に送られるカードは2枚。《ジェムナイト・フュージョン》で墓地から除外する『ジェムナイト』モンスターは1枚。差し引き1枚分、カードを墓地に仕込めるわけでござる。……だが、」
「はい?」
「それは《ナチュル・ビースト》で墓地に送られる2枚のカードの内の片方が『ジェムナイト』モンスターである前提でござる。デッキは乱雑なもの。乱雑だからこそ、嫌な固まりかたをすることもあるでござる。もしこれから連続で『ジェムナイト』モンスター以外が落ち続ければ、コンボは止まるでござる」
「あぁー……、そのことですか」
夢値は整理するように少し上を向くと、まるで子供のようににっこり笑った。
「そこら辺は特に考えていません」
「は?」
稲紅は目を丸くした。
「いえ、一応小手先の戦術としては、《ラピスラズリ》でエクストラデッキから墓地を肥やすというのはありますけども、基本的には運です。神や邪神に祈りながら使っています」
「え、それって、大丈夫なの?」
散々脅威を煽られた樢は強張った顔で夢値を見た。
「何がですか?」
夢値は樢の方に体を向けて小首を傾げた。
「いや、なんか知らないけど、あんたが負けたら色々とまずいんでしょ?」
「まずいですね」
夢値はコクコクと頷いた。
「じゃあもっと、安全に勝つ方法とか無いの?」
「あると思いますよ」
夢値はコクコクと頷いた。
「じゃあなんで……」
「だって……」
夢値はアンダースローのように言葉を放った。
「さっき思いつきましたから、このコンボ」
「へっ?」
樢は一瞬思考が止まりそうになった。
「樢さんと分かれてからぼんやりと考え事をしていたらふと思いついて、急いで形にして、試運転しながらこのデッキに大きな怪我や病気が無いようにとお願いしていました」
夢値は空を見て、まるで歌でも歌っているようだ。
「えっ、あの、どういうこと?」
樢は勢いのつかない頭をなんとか回して、対話を試みようとした。
「そろそろこの子達に、外の景色を見せてあげたくて」
「んんー?……ーんと、つまり、そのデッキを使いたかっただけ?」
「そうですね」
「それだけ?」
「それだけで、十分です」
夢値は満足気に頷いた。
「え、えぇ……?
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