機動戦艦ナデシコ
1306話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
力圏になれば、地球と木星蜥蜴の間に俺達がいる事になる。つまり、木星蜥蜴が地球に侵攻しようとした場合、まず俺達が木星蜥蜴とぶつかる事になる」
これは、実は俺達にとっても決して悪い話じゃないんだけどな。
バッタやジョロ、カトンボ、大型艦、そして何よりチューリップ。これらが俺達と戦うという事は、逆に考えれば俺達がこの無人機を好き放題に鹵獲出来るという事でもある。
古代火星文明の遺産とも呼べる無人機を、だ。
勿論将来的にその辺を全て研究して解析し尽くしてしまえば、その後は延々と攻めて来ても一撃で撃破してもいい。
また、当然その戦闘で撃破した木星蜥蜴の残骸はホワイトスターにあるキブツへと投入して俺達の資源となる。
BETAと似たような形の処分方法ではあるが、木星蜥蜴はBETAのように悪臭が存在しない。
そういう意味では、寧ろBETAよりも木星蜥蜴の方が戦いやすい相手だとすら考えられる。
それに大型艦やカトンボ、チューリップといった無人の戦艦は質量が大きい分、キブツに入れるには最適だしな。
大型艦辺りは無人艦という事もあって、出来ればシャドウミラーの戦力として使いたいという思いもある。
メギロートやイルメヤ、シャドウといった無人機や量産型Wの運用機としては劣化型ナデシコと言ってもいいような大型艦はそれなりに使い勝手が良さそうだし。
最初はチューリップが最有力候補だったんだが、チューリップが輸送艦や輸送ポッド的な存在じゃないというのがはっきりしてしまったしな。
そうなると、あの転移方法が他の世界でも使えるかどうか分からない以上、こっちの選択肢としてはカトンボか大型艦になる訳だ。
で、カトンボより大型艦の方が新型である以上、性能も高い、と。
「地球と木星蜥蜴の緩衝材にね。……でも、地球にはまだ多くのチューリップがあるのよ? チューリップが転移装置であるとはっきりした以上、地球にとっては火星で木星蜥蜴を防いでも殆ど意味がないんじゃない? それこそ、火星を通った木星蜥蜴が全滅すると向こうが学んだら、地球にあるチューリップから直接転移してくる可能性もあるでしょう?」
「……学ぶ?」
「あ、いえ。うん。無人機だって学習はするでしょう?」
ふと気になった言葉を口にすると、何故かエリナは慌てたようにそう言い直す。
何だ? もしかして木星蜥蜴についての情報を何か持っているのか?
……いや、持っていて当然か。ナデシコの始まりとなったチューリップもどきを研究していたネルガルだ。他に全く知られていない木星蜥蜴の情報を持っていてもおかしくはない。
出来ればその辺の話を聞いてみたいところではあるが、無理に迫ってもエリナが話す筈がない、か。
恋愛に関しては奥手なエリナだが、会長秘書としての職業倫理は高いし。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ