機動戦艦ナデシコ
1306話
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殊部隊や反乱軍といった形ではなく、国家として存続している。
しかも幾つもの異世界と関係を持ち、それらの世界に比べると上位の存在としてだ。
その辺を考えると、ここで避難民を見捨てると言うのは色々と都合が悪い。
勿論それだけでシャドウミラーの各世界に対する優位性が揺らぐ事はないだろう。
けど、マイナス要素は可能な限り減らしておくのに越した事はない。
「……で?」
「つまりだ。火星に……それもこの研究所を基地として避難民を暮らすようにしたいと思ってるんだよ」
「まぁ、そうでしょうね。アクセルの国に彼等を迎え入れないのなら、残る手段はそれくらいしかないと思うわ。けど、ここの守りはどうするの? 言っておくけど私達だっていつまでもここにいられる訳じゃないのよ?」
「問題ない。この研究所を中心として、俺達が戦力を出す。……ぶっちゃければ、この火星に俺達シャドウミラーの基地を作ろうと思っている」
「ちょっと、ここは放棄されているとは言ってもネルガルの施設よ。勝手に自分の物にしたりするのは困るわ」
即座に言い返してくるエリナだったが、その気持ちは分からないでもない。
事実、ここの地下にあるチューリップもどきを考えれば、そう簡単にこの研究所を明け渡すつもりにはなれないんだろう。
「けど、それがベストだろ? それに、勿論この研究所を俺達に譲ってくれるって言うんなら、相応の見返りも用意させて貰う。シャドウミラーとこのナデシコ世界が交流する事になった時、ネルガルを優先する。……どうだ? ネルガルに取っても悪い事じゃないと思うけど」
「それは……」
まさか、俺の口からネルガルを優先するという言葉が出てくるとは思わなかったのだろう。通路を歩いていたエリナの足が止まり、こちらへと視線を向けてくる。
ただ、実際問題ネルガルの社員であるエリナやプロスペクターと接している限り、今のネルガルに対してそれ程悪い印象はない。
図書館で調べた限りだと、前会長はかなりあくどい性格をしていたらしいが。
今の会長はその前会長の血縁だって話だし、その辺を考えるとまだ完全に信用する事は出来ない、か?
もっともシャドウミラーと手を組んで裏切りを働いたりすれば、それがどんな目に遭うのかってのはニーズヘッグを見れば分かって貰えると思うが。
基本的にシャドウミラーは国家としてそれなりに他の異世界と友好関係を結んではいるが、軍事国家と呼ぶべき形式の国だ。
しかも、戦力に関しては1つの世界と平然と戦争をして、楽に勝てる程の力を持った。
「……地球にも利があるって話だったけど?」
ひとまずこの件に関しては置いておく事にしたのだろう。エリナは話を地球に関しての利益へと移す。
「利益はあるだろう? この火星が俺達シャドウミラーの勢
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