機動戦艦ナデシコ
1306話
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まれないように食料は大量に積んでくる必要があったんだろう。
もっとも、火星までの片道が2週間程度だからこそ大量の食料を積み込む事が出来たんだろうが。
「仕方ないわよ。向こうに取って私達は裏切り者に等しいんだから」
エリナも避難民から自分達がどう思われているのかというのは知っているのだろう。
それこそ会長秘書という立場にいるエリナだ。当然火星の意見とかはしっかりと調べてあるんだろうし。
「あいつ等、どうなると思う?」
テーブルから立ち上がり、食器を片付ける場所に置いて、食堂から出ながらエリナに尋ねる。
その問い掛けに返ってきたのは、小さく首を横に振るという行為だった。
「ナデシコに乗って地球に戻るのは嫌がっているし、このまま火星に残ってもジリ貧でしょ。頼みの綱のアクセルに亡命を希望しても断られた。そうなれば残るのは……恐らく火星に残って何とか隠れ住むというのを選択するでしょうね。幸いこの研究所にはシェルターが完備されているし」
予想してたけど、やっぱり俺が亡命を断った事は知ってたか。
どこから知ったのかというのは、聞くまでもないだろう。
それこそコミュニケを使って盗聴していたのかもしれないし、オモイカネを使ってこっちの様子を探っていたのかもしれない。
まぁ、その辺は元々予想通りの流れなので、何も言わないでおく。
「一応どうにかする方法はあるんだけどな。避難民が死なずに済んで、地球にも利益があって、ネルガルにも利益があるって方法が」
「……そんなに都合のいい方法があるの?」
「ある。ここに来る途中で考えていた方法がな。……ただ、その方法を取れば取ったで色々と面倒な事になるのは確実なんだよな」
「取りあえず聞かせて貰える?」
通路を歩きながら、エリナが視線で話を促してくる。
さて、どうするべきか。答えるか答えないか……いや、ここまで言ったんだから、もう答えた方がいいだろ。
どのみち俺だけではどうするか決められなかったんだし。
エリナから何か意見を貰えればいいかもしれない。
「そこまで難しい話じゃない。今までにも何度か考えてたんだし。まず大前提として、俺達シャドウミラーは避難民を亡命者として受け入れるつもりはない」
「そうね」
この辺は既に理解している為か、特に何をするでもなく頷きを返す。
「だからって避難民をこのまま見捨てるとなると寝覚めも悪いし、何よりシャドウミラーの評判にも関わってくる」
ヴィンデルがいた頃のシャドウミラーであれば、特殊部隊や反乱軍としての性格が強かったから、自分達の利益にならない相手を見捨てても全く問題はなかった。
そもそも、非難するような相手すらいなかったし。
だが、今は違う。
俺達シャドウミラーは特
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