第22話 代償
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向けた。
サソリは、胎児に向けて飛び上がると
写輪眼!
紅く光る幾何学模様の眼を向ける。
胎児の黒い眼球に幾何学模様が映り込み、反射してサソリも確認できた。
一瞬だけ胎児の放つ光線が根本から崩れ落ちていくが、サソリの身体に強烈な異変が現れた。
写輪眼とは比較にならない程の膨大なチャクラを使い、遥か奥深くまで見通せる瞳の代償が最悪のタイミングでサソリに襲い掛かる。
頭を殴られ、眼の中を鋭利な刃物でほじくり出されているかのような激痛が両眼から出され、胎児へ掛けていた万華鏡写輪眼が強制的に解かされた。
「ぐああッ!」
あまりの激痛に空中で眼を両手で覆う。
万華鏡写輪眼から解放された胎児型のエネルギー体は、目先でチラつくサソリを見下ろすと光線を伸ばした。
サソリは、意識が飛びそうになりながらも覆っていた両手を眼から離すとクロスして防御の体勢を取り、衝撃に備えた。
サソリの肩に光線が当たるとサソリは、爆発に巻き込まれ、地面へと叩き付けられる。
「さ、サソリ!?」
サソリの悲鳴と爆発を聴いた御坂が慌ててやって来るが爆発に阻まれて上手く進めない。
万華鏡写輪眼で胎児型のエネルギー体と眼を合わせた瞬間に膨大な憎しみや恨み等の鮮烈な負の感情がサソリの眼に流れ込んできた。
「ぐぅ......あっあ」
地面に落とされても痛む眼を覆い、サソリは起き上がれないでいた。
サソリの隣に巨大なチャクラ反応を捉えると腕を支柱にして四つん這いになりながら、転がるように離れ、間一髪で避ける。
何が起きた?!
サソリの両眼からドス黒い血液が止めどなく溢れ出ていた。
溢れ出ていく血を拭って視界を確保しようとするが、次から次へと際限なく流れていく。
胎児型のエネルギー体は、もがいているサソリに向けて更に光線を伸ばす。
「くそ!」
チャクラ感知で反応をしてチャクラを練ると砂の壁を自分の周囲に出現させた。
壁の向こうでは爆発音が鳴り響いている。
早くなんとかしなければ
やっと血が止まり出し、サソリは閉じていた眼を開いた。
しかし、開いたはずがボヤッとした自分の手が映っているにすぎない
「!?」
何度も眼を擦り、焦点を合わせようとするが世界全ての輪郭が歪んだ線としか認識できない。
嘘だろ......
眼が見えない......
サソリの中である種の恐怖が湧き上がってきた。
人間は、外部からの情報を受け取る時に約七割が視覚情報に頼っている。
忍でも視力の良し悪しで生か死か、別れると言っても過言ではない。
サソリの眼は殆ど見えていなかった。
分かるのは明るいか暗いか
何か物体のような物が見える程度
自分が今どんな状況で何をしているのかさえも曖昧となる。
だが、そんなサソリの状
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