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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第229話 心の悲鳴
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も、ずっと彼は笑ってくれているだろうか。……決して私のために、無理をせず、自然な笑顔を見せてくれるだろうか。
隼人は本当に優しい。だからこそ、決して表には出さないって思える。
だけど……、だからこそ…………。
「隼人君を苦しめるくらいなら……っ、私のせいで隼人君を苦しめる結果になる位なら……わたし、わたしっ………っ!!」
ぼろぼろ……と涙を零し、嗚咽で続きの言葉を言えない玲奈。
そこまで来た所で、明日奈は玲奈の身体をぎゅっ、と抱きしめた。
「わ、わたし……っ、わたしは……っ」
「大丈夫。レイ、大丈夫だから……」
明日奈は、ただただ、玲奈の身体を抱きしめ続けた。
そこから先の言葉は、明日奈は訊きたくない。恐らくは京子も何をいうか判っただろうから、好ましくはない筈だ。先程から、表情こそは変わらないものの、明日奈は感じたから。苦難を乗り越えて、2人は一緒になることが出来た。本当の意味で心を通わせることが出来た。
だからこそ、隼人にとっても玲奈にとっても、それだけは、そこから先の言葉は言ってはいけない言葉だから。
「ありがとう。レイ」
「うっ……ううっ、だ、だって、だって……っ お、おかしいよ。こんなのっ……っ、なんで、なんで、好きになった人と、一緒にいられないの……っ? それが、わるい、こと、なの……? だって、だって、わたし、わたしもずっと、見てきたんだよ? おねえちゃんや、キリトぐん、のことも……っ」
「うん……うん………」
明日奈の胸の中で泣き続ける玲奈。そして、その優しさゆえに、流している涙を止めてあげたくて、明日奈は何度も玲奈の背中を摩り続けた。
そして、玲奈の背中を摩りつつ、明日奈は京子を見た。
「……レイを寝室まで連れて行きます」
「ええ。判ったわ」
この時ばかりは、京子は反論等はしなかった。だが、それでも余裕さえある表情は消えてなかった。
続けてワインを飲む姿を見て、明日奈は判った。今回の玲奈の
これ
(
・・
)
は、子供の癇癪。少々遅れた反抗期、程度にしか思ってなかったのかもしれない。直ぐにいつも通りになる、とも考えているかもしれない。
でもなければ、
母にとっての
(
・・・・・・
)
、
最高のキャリア
(
・・・・・・・
)
が消えてなくなってしまうのだから。それは絶対に避けたいはずだから。
そんなどこまでも冷ややかささえ感じる母を見て、明日奈はドアに手をかけた所で、最後にす、っと息を吸い込んだ。
玲奈が母にぶつかった。自分が言いたかったことの全てを言ってくれたかもしれない。……自分には余裕なんかないのに。
そんな妹を見つつ、明日奈は胸の奥深くにわだかまっているものを最後にぶつけた。
「……キャリアを重視する
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