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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第229話 心の悲鳴
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想ってるの!! 隼人君のことを、なんだと想ってるの!! わたし達の幸せなんて、全然考えてない! 全部、全部母さん自身のキャリアが傷ついたとしか思ってない癖に!」
一度噴火すれば、それは留まることが出来ない。烈火の如き怒声は同じくとどまらなかった。
「わたしは、人として、大切なことを、あの世界で学んだ! 人は、1人じゃ絶対に生きていけないことを、あの世界で学んだっ! 誰かを支えて、支えてもらって初めて《人》になれる、って事も……学んだ! 母さんが言う『おかしな世界』で! それに、母さんの言う『収容施設』『矯正施設』でも!」
玲奈は 目を血走らせ、肩を大きく揺らせながら、続けて想いの丈の全てをぶつけた。
「わたし、母さんの言う、『含まれない施設の子』のおかげで、いま生きていけてるの! わたしも、お姉ちゃんも! あそこの皆のおかげで、あの世界で生き抜いてきた人達全員のおかげで、今ここで、こうやってご飯を食べて、自分の事ばかりで、幸せなんか願ってくれてない母さんの話だって聞く事が出来てるの! 全部、全部 皆のおかげなんだよ! そんなの、そんなのっ、人として、人としておかしいよ! そんなのっっ!! キャリアがそんなに大切なのっ!? 大事な心を捨ててまで、何も考えない心を牢獄の中に閉じ込めた生活に、進路にどんな意味があるっていうの!!?」
堪えきれなかったのだろうか、ついに玲奈の目には涙が溜まり、そして、勢いよく散らばり続けている。
「隼人君のことだってそうだよっ! 皆、皆……、隼人君を
人
(
・
)
として見てくれてないっ!! あんなに、話をしたのに……、皆、皆…… 隼人君を内面を見てくれてないっ! 何も変わらない、わたし達と何も変わらない! とても心優しい男の子なのに! なのに……っ、隼人君は、レクトにとっての――結城家にとっての莫大な利益、財産、そんなふうにしか皆の視線は感じられないのっ!! 母さんだってそうだよっ!!」
脳裏に描いているのは、隼人の姿だった。
SAO時代から――そして現代に至るまで、様々な彼の姿が脳裏に鮮明に浮かび上がった。
――表情に、あまり感情が出なかった時の表情。
――何処か儚さを醸し出した表情。
――そして、そんな仮面の隙間から、時折見えたあどけない表情。
――屈託のない笑顔の表情。
徐々に……彼の、彼自身が作り上げていた仮面が割れて落ちた。本当の素顔が見えた。そう感じた。
――涙を流し震えている表情。
――恥ずかしそうに頬を赤らめている表情
――そして……大好きだって言ってくれた時の表情。
その顔は、これから先も、ずっと見ることが出来るだろうか。……後悔する、と言っていた母の言う5年、10年後と。この冷たさを感じる中で
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