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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十三話 雪鳴なりの決着
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前は所詮、五年前。
過去の思い出の一つでしかないのだろう。
(だとしたら、思い知らせてやる……!)
五年分の想いを、全部――――、
「っ、なに!?」
突如、雪鳴がいる場所とは真反対の方向で大気が揺れるような轟音が鳴り出した。
反射的に振り向くと、そこには昼間にも関わらずエメラルドグリーンの光が輝きを放ち、街を包むほどの高さまで広がっていた。
街の人々も何事かと思い、その光のほうを見つめる。
「あの光……なんなの?」
初めて起こった現象に、柚那も困惑した心境でその光の輝く方を見つめる。
そしてしばらくして光が徐々に消えていくと、今度は光の中から巨大な、本当に巨大な樹が現れた。
この地球と言う世界には存在しないであろう大きさ……それこそロケットや超高層ビルよりも大きな樹の出現に、街の人は徐々に事態の深刻さと不気味さを理解していった。
対して柚那は冷静に、今目の前で起きている状況に対して分析を行っていた。
(このエネルギーの感覚は、魔力に凄く似てる。 だとしたらこれはこの世界の人によるものじゃなくて私たち寄りの人によるもの……?)
この世界で柚那と同じ魔導師が存在する世界の出身者は姉の雪鳴と、もう一人。
(まさか、アイツが!?)
他に魔導師と言えば、と聞かれれば柚那の中では小伊坂 黒鐘を置いて他にはいない。
だが今、彼は雪鳴と一緒に行動している。
となればこれは……、
(私の足止め?)
あの巨木が何をもたらすか、現在は皆目検討もつかないが、あれをそのまま放置する危険性の高さは分かる。
あれをどうにかできるのは今、柚那を持って他にいないのだとしたら……。
(誰が犯人だろうと関係ない。 私は魔導師として、あれをどうにかするだけ!)
雪鳴のことは心配だが、彼女だって強い魔導師だ。
もし黒鐘がなにかしてきても対応できるはず。
そう信じ、柚那は巨木に向けて走り出した。
人目のない所へ向かい、建物の屋上まで壁伝いに駆け上がり、屋上から屋上へ飛び越えながら移動していく――――。
*****
「――――っ」
黒鐘の話しに私/逢沢 雪鳴は全身に鳥肌が立つほど、驚愕した。
五年前、黒鐘の身に起きた事件。
それで失った者。
失って選んだ道。
そして今に至るまでの全て。
私は黒鐘と、黒鐘の姉/海嶺の二人を前に、ただただ立ち尽くしていた。
言葉が見つからない。
何を言えば良いのか、
何が適切な言葉であり、適切な単語なのか分からなかった。
だから黒鐘の話しが終わってからの静寂に耐え切れず、彼から目を逸
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