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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十三話 雪鳴なりの決着
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きる。
海鳴市一帯であれば、どこにいても分かるほどの高い感知能力で雪鳴を探したところ、彼女が学校を抜け出して街中を歩いていることを知る。
しかも雪鳴の隣に、雪鳴ほどではないがよく知っている存在を感知した。
「小伊坂、黒鐘……!」
忘れもしない、憎むべき存在の名前を呟く。
同時に心の中で湧き出した膨大な量の怒り、殺気。
下唇を噛み締め、その感情を無理やり押さえ込む。
そうでもしないと、彼に対する感情で暴れてしまいそうになるからだ。
そんな彼が今、自分の姉と一緒に行動している。
想像するだけで怒りが増すのに、現実に起こっているのだから尚の事腹が立つ。
彼が今更何を思って雪鳴と共にいるのかなんて想像できない。
しかし、平気な顔をしてまたいつも通り仲良くしようなんて都合のいいことを言い出していたとしたら、きっと柚那は彼を殺しにかかるだろう。
なぜなら彼は五年前、何も言わずに柚那と雪鳴のもとから離れていったから。
そのせいで雪鳴がどれほど傷ついたか、柚那はよく知っている。
彼から受けた悲しみを振り払うために必死に努力しているのも知っている。
そして激しい修練の末に大怪我までしてしまったことも知ってる。
それら全ては、小伊坂 黒鐘が原因だ。
あまりにも許せなかった。
雪鳴を変え、傷つけた彼を殴りたいとどれだけ思っただろう。
そのために柚那も努力した。
だが、それぞれが強くなれた理由は異なる。
雪鳴は寂しさと悲しさを乗り越えるため。
柚那は、大好きな雪鳴を守るため。
もう二度と、同じ痛みを与えないために強くなろうと思ったのだ。
それだけの願いと想いで強くなった。
雪鳴が大怪我した際も、真っ先に柚那がそばで面倒を見ることを選んだ。
そのために家事一通りを覚えた。
料理にも挑戦し、今は二人で生活していて不自由のない日々を送れている。
そんな日々でも少しは気にしていた。
小伊坂 黒鐘は今、どこで何をしているのかなと。
どれだけ怒りを抱く相手であろうとも、それを抱くだけに彼がどうしているのか気になる。
この気持ちをぶつけられずに終わるのが嫌だったから。
――――そして再会は柚那にとって、あまりにも呆気ない再会。
まさか魔法が存在しない管理外世界で、一般人に混じって暮らしている彼がいるとは思いもしなかった。
しかも一番傷つけた相手である雪鳴と肩を並べ、笑っていた。
五年間の苦痛も知らず、何もなかったかのように笑っていた。
あれだけ傷つけてよくそんな真似ができるものだと思った。
彼にとって五年
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