【ソードアート・オンライン】編
137 哄笑の残響
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二人≠捕縛してもらうために警察へと電話して数時間。時間が時間だった為にまだまだ陽は天辺まで上りきっていない。……ブラインドから入る朝日がいやに眩しい。
未遂に終わったとは云え、刑事事件──それも殺人未遂≠ナすらあったのだ。なので、俺は警察署に呼ばれて事情聴取を受けていた。
……ちなみに、新川 昌一から受けたコンバットナイフで左腕のかすり傷は──字義通り[かすり傷程度]と浅かったので、事情聴取と病院での治療の順序が逆になった。……尤も、大きめの絆創膏一枚で処置が出来てしまうような傷なので、病院で治療を受ける必要性があるかどうかはビミョーなのだが。
「……で、君は暴漢三人を撃退したと」
「はい、相違ありません」
「……はぁ、いくら徒手での腕に覚えがあるからと云っても、刃物を持っていると推察出来る──それも、君が犯人を挑発して作らせた℃膜曙サ場に行ったんだ。……それについての理解は?」
「理解しています」
白髪混じりの警察からこちらの心を探る様な目付きで見られるが、俺はそんな目付きなんてなんのその>氛氓ニ、真っ直ぐと見返しながら返す。
「……君から預かった音声データの犯人との会話を聞く限り、脅迫≠ノ──ひょっとしたら殺人教唆≠ワでつくかもしれない。……正直法律ギリギリだよ?」
「それについても重々理解しています」
俺のそんな肯定の言葉を聞いた警官は「……まぁ、多分大丈夫だけどね」──と、ギリギリ俺に聞こえる様な声量で呟く。実際、新川 昌一を──ザザを挑発した時点で法律に抵触することは理解していた。……しかし、俺の聴取を担当しているこの警官が呟いた通り、それは無い事も予想していた。
ザザを挑発した時点で、≪死銃(デス・ガン)≫=ザザ≠フ等式に辿り着いていたし、死銃事件≠フ有力な容疑者を引っ張り出せたと云う功績を使えば十分にそれらの罪を相殺出来ると云う事も確信していた。
……なんなら、法廷≠ワで出ても良いと思っている。……カリーヌ義母さんからの無言の──エレオノール義姉さんを押し付けようとしてきた時の凄まじいプレッシャーに較べたら、法廷特有の厳粛な空気なんてそよ風もいいところだ。
閑話休題。
「また何かあったら追って連絡するから今日はもう帰っていいよ」
「はい」
ちょうどニチアサキッズタイムが終わりを迎える頃合い、漸く解放された。……両親や和人、直葉に多大な心配を掛けてしまったのは云うまでもないし──それだけではなく乃愛や明日菜、果てには稜ちゃんにまでその連絡が行き、やはり心配を掛けてしまった事も追記しておこう。
SIDE END
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