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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第26話 「好敵手は災いの元?」
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……はたから俺達はどう見えてるんだろうな。
そのように考えてしまうのは、俺とシュテルが向かい合う形でテーブルに座っているからではない。確かに喫茶店で男女が向かい合って座っていれば誤解する人間も居るかもしれないが、おそらくそういう誤解をしている人間は少ないと思われる。
何故ならば……俺達は互いに注文したコーヒーと紅茶を飲みながら本を読んでいるからだ。会話という会話はこれといってない。店が混んでいて相席を余儀なくされたのならば話は違うだろうが、今日の翠屋は比較的空いている。故に周囲が俺達を見てどう思うか考えてしまっているというわけだ。
「……まあどうでもいいか」
俺達と付き合いがない人間がどのように思ったとしても大した問題ではない。同じ学校の生徒に見つかると面倒になる可能性もあるが、俺とシュテルは学校で同じクラスだ。学校でも比較的一緒に居ることは多いため、見られたところでこれといって何もない気がする。
……何かあるとすれば。
例えば俺の目の前に座っている少女に想いを寄せている男子に見られた場合だろうか。
シュテルを含め留学生組はうちの学校でも知っている人間は多い。何故ならディアーチェは学年主席であり、シュテルもそれに次ぐ秀才なのだから。レヴィは俺達より学年がひとつ下であるが、数学と体育の成績は満点に等しいし、そもそも普段の言動的に目立つ存在だ。
付き合いの長い俺はこいつらのことを他人よりも知っているからあれだが、学校の人間は良いところとか目立ってる部分くらいしか知らないだろうな。それに……本を読んでいるときのシュテルは絵になる。俺に絡むときは茶目っ気を出してくるので認めたくない部分もあるが。
「……先ほどから本ではなく私の方を見ていますがどうかしましたか?」
「別に……お前とふたりでのんびりしているのが新鮮だなって思っただけだ」
素直に考えていたことを言わなかったのは……言わなくても分かりそうだが、簡単に言えばシュテルが面倒な流れにしそうだからだ。
こいつのことだからきっと……私の隣に自分以外の異性が居るのが嫌ということですか、みたいなことを言ってからかってくるに決まっている。
俺から言わせれば、俺以外の男子ともっと絡めと言いたい。事務的な会話や何かしらの作業を一緒にするときは話している姿を見るが、それ以外では常に俺かディアーチェ達の傍に居るイメージしかないし。
「よくもまあさらりと嘘が言えますね。本当は私が面倒な流れにするなどと思っているでしょうに」
「……別に」
「やれやれ……あなたはもう少し素直になった方がいいですよ」
どこか呆れながらもシュテルの顔には笑みが浮かべられている。まるであなたが私の考えを読めるように私だってあなたの考えは読めます
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