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101番目の舶ィ語
第十二話。デート・ア・ミズエ 後編
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に反響していたせいか、それが誰なのかまでは掴めない。

「……一応肝に銘じておく。だけど、今は理亜に付いてる『魔女』の警戒が先だ」

「その情報も掴んでいたのですね?」

「ああ。名前は『予兆の魔女・アリシエル』。自称アリサと名乗る魔女だ。理亜に『もうすぐ死ぬ』と告げて、同時に理亜みたいな『主人公』を探していたと言ってた」

「アリシエル……『予兆』ということはある意味、未来予知みたいなものですか」

「ああ、多分、な」

あの光景は未来予知なのだろう。
とはいえ、あれは予言ではなくあくまで予兆。
つまり、回避する手段はいくらでもあるということだ。それこそ……俺を戦わせない、とかな。

「なるほど。そのアリシエルに貴方に関する不都合な未来を見せられたから、あんなにも冷徹になって戦っているというわけですね。納得しました」

これだけの情報でいろいろ察することが出来る一之江も大概だよな。

「さて、そろそろハンバーグ屋さんです」

「ああ、もう着くのか。難しい話は一旦休憩だな」

「ええ。食べて食べて食べまくりますよ」

「了解だ!」

気になることはまだまだある。
だけど今は……今後の為にも腹ごしらえだ!
腹が減っては戦は出来ぬ、っていうからな。
俺は意気揚々と一之江と共に店の中に入っていった。
そして、注文をしたのだが……。

なに、これ?


目の前にはこれでもか、といったようにタワー状に積み重ねられたハンバーグがある。
注文の際、一之江が「私はいつものを。こっちのタラシには特別メニューのアレを」とか注文したのだが。
特別メニューがこんなトンデモハンバーグなんて聞いてませんよ、一之江さん?
普通のハンバーグの十倍はあるぞ。
食えんのか、この量。

「さあ、遠慮なく食べて下さい。あ、恵んでやったのですから残したらグサグサの刑ですからね」

「なあ、一之江……」

「なんですか? ほらほら早く食べないと冷めてしまいますよ?」

「お前、寝てるとこ起こされたの……絶対根に持ってるだろ!」

「いいえ、せっかくの休みの日に叩き起こされた事なんか根に持っていませんて」

「本当に?」

「ただ、タワーハンバーグを前にした貴方が困る反応を見たかっただけですって」

「この性悪女が!」

言ってからしまった、と思ったが遅い。
背中越しにひんやりとした金属の感触を感じる。

「……それが最期の言葉でいいですか?」

「すみません、一之江様。貴方は大変優しい美少女デス」

背中に刃物を突き刺されながら思う。
なんというか、俺ららしいな。こういうの。
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