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101番目の舶ィ語
第十二話。デート・ア・ミズエ 後編
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通信科《コネクト》の奴らと同類か??

「いやぁ、いっそバラにでも走ってしまえば女性陣達も仕方ないって思うかな、と」

「どんな諦めだそれは!」

「ロア憲章第十条。『諦めろ。仕える主人公がバラに走ったら即刻諦めよ』」

「嫌な憲章だな、それ……」

こっちはこっちで一之江への突っ込みが大変だった。
っていうか、武偵憲章のことまで知ってんのかよ!
……どこから突っ込めばいいんだ?

「はぁ……まあいい。話はそれくらいだ。そろそろ俺達は行くぞ」

「ですね、私達もさっさとハンバーグを食べるとしましょう」

「ふむ。わらわ達も帰ったらハンバーグにせぬか、氷澄?」

「検討しておいてやる」

氷澄はぶっきらぼうにラインに告げると、俺を見て一度頷いてから。

「ロアの中でも特に『魔女』には気をつけろよ?」

と、言い捨てて俺達の横を通り過ぎた。

「おい、どういう意味だ?」

なんだか胸がざわつく。この果てしなく不安になる感じは……何故だ?

「あいつらは『主人公』に寄生することが多いのさ。悪女に上手いこと騙された『英雄』が破滅したり、いろいろ喰われるという話も多いだろう? だからな」

氷澄は一度も振り返ることなく、そんな言葉だけを残して歩き続ける。
ラインも意味深に笑って俺を見てから、てくてくと氷澄に付いていった。

……魔女に気をつけろ、か。

「キリカはやっぱり信用出来なかったりするのか?」

「それはもう。彼女は本当に最悪の魔女ですからね。
ですが、そんな最悪の魔女が貴方だけはちょっぴり特別扱いしているというのも気になります」

「特別扱いなのか、やっぱり」

「あれほどの『魔女』に気に入られているというのは、つまり貴方自身が興味を持たれているということです。好かれていると言っても過言ではありません」

「俺は……そんな好かれるようないい男じゃないんだけどな」

「ふぅ。タラシはこれだから……いいですか? 貴方には人やロアを惹きつける十分な魅力があります。カリスマ性と言ってもいいでしょう。天性的な将の器……物語的に言うと貴方には生まれながらにして『主人公属性』があるんですよ」

「……俺にそんな属性はない」

「はぁー、まあいいです。そのうち解りますよ。貴方は自分が思っている以上に主人公ですから。
さて、話を戻しますが、彼女の興味対象から貴方が外れた瞬間、貴方は食べられてしまうでしょう。______とっくに、死と隣り合わせなんですよ貴方は」

死と言われて俺は理亜の夢の中で見た光景を思い出す。
崩れた町並み。瓦礫の上に倒れていた______俺。
高笑いしていた少女。
あの少女は誰だ? どこかで聞いたことのある声だったが……。
頭の中
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