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101番目の舶ィ語
第十二話。デート・ア・ミズエ 後編
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にもツンデレ男子です」

氷澄をニヤニヤ見ながら、ラインと一之江はボソボソと会話している。

「むしろお前さんとこの主人公がピンチになったら助けに行く気満々じゃぞ、あれ」

「ですね。いかにもツンデレ男子です」

「うるさいぞそこ??」

怒鳴ってるとこ悪いが氷澄……顔を赤くして言っても説得力ないぞ。
ラインなんてケラケラ笑ってるし。

「まあ、ともあれ。ともあれだ。手を貸すことは絶対に、絶対にしないが……アドバイスくらいなら出来るかもしれないな」

その言い回し自体がツンデレ男子になってるんだが、本人は気づいてないな。ここで指摘したらアドバイスも貰えなくなりそうなので黙って頷くことにする。

「『主人公』とただの『ロア』との違いは、『物語』を作っていく側か、物語をなぞる側か、だ。つまり『主人公』同士の戦いは相手よりも強い『物語』を描けるかどうかによるわけだ」

「……えっと……ああ! だから氷澄は、雨の中、それも夜中にあの十字路で俺を待っていたんだな。自分の物語に自信があったから、再び挑みに来るかもしれない俺を待っていた、ってことか?」

「その結果負けたんじゃから、世話ないがのう」

「うるさいぞ、ライン。お前も負けたんだから他人事みたいに言うなっ」

氷澄が突っ込みを入れるごとに、ラインはニシシと意地悪く笑う。

「そもそも『主人公』と『ロア』ではDフォンの機能からして違う。『主人公』のDフォンはコードの読み取ることで自分の仲間に出来るロアを探したり、物語として登録したりする機能があるが、ロア達にはそれがないからな」

「なるほどな。その『自分の物語に合ったロア』っていうのは、誰の選定基準で決まるものなんだ?」

「それこそ、因果______縁だったりするんだろう」

つまり、運命的なものというわけか。『厄介なロア』ばかり従えていると言われたばかりだが、そんな物語でも俺にとっては大事な仲間達だ。そんな彼女らとの出会いが縁だったりするのなら、少しくらい感謝してもいいもしれないな。

「俺が氷澄やライン達と出会ったのも縁の一つなのかもしれないな」

「俺はお前に会ったせいで調子が狂い始めた気がするよ」

溜息交じりに氷澄は言うが、その表情は軽く笑っていた。
だから、俺も笑い返す。
こういう立場の男同士の友人がいるっていうのは、やっぱり心強い気がするな。ヒスる心配もないし。
男同士の友情を見て一之江達も触発されたのか仲良く……。

「なんか怪しい雰囲気じゃのう……」

「掛け算で言うとどっちが前でしょうね」

「氷澄は総受けじゃろうな」

「おい、ライン??」

……仲良くし過ぎだお前ら!

「掛け算とか、変なこと言うの止めろ一之江っ」

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