第十二話。デート・ア・ミズエ 後編
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えるんだ?」
「ふん、キンゾーにやり方を習っただけだ。
ハーフロアの俺ならば、人間離れしたあいつの技も少しは使えるからな」
「馬鹿な……ありえん??」
何教えちゃってんのキンゾー。
いくら氷澄が人間離れした力を持つハーフロアだからって、そんな簡単に技教えたら駄目だろう。
「心配しなくても悪用なんかしない。
それに出来るのはほんの一部だ。流石にマッハは出せんからな。
今は『秋水』を取得中だ」
「なんだそれなら安心……出来るかよ!」
『秋水』を教えるとか、何しちゃってんの。あの馬鹿弟は??
「『秋水』?」
「なんだ、パートナーなのに知らんのか。キンゾーが言うには『余すことなく全体重を拳に乗せて放つ一撃』、それが『秋水』という技らしいぞ」
「そうですか。こんな感じですか?」
一之江が近づいて来たと思った次の瞬間。
「かはっ……」
俺の体は5〜6m吹き飛んだ。
ちょ、ちょっと待て!
今のまさか……?
「ふむ。初めて使いましたが、なかなか難しいですね。余すことなく、体重を乗せるのは……」
いやいや、いきなり出来るお前の方がおかしいからな!
「……俺の認識は甘かったようだな。キンゾーほど非常識な人間はいないと思っていたが、お前達ほどではなかったな」
「いやいや、一之江やキンゾーと同じ扱いにするな! 俺は普通の人間だから!」
「普通の人間は秋水をくらって平然と立ち上がらんぞ」
くっ、ラインの奴。こんな時に正論を言いやがって。
言い訳できん。
「ところでお主達はデートか?」
「いえ、荷物持ちをさせた帰りに食事を恵んでやりに行く途中です」
「なるほどな。わらわ達は新作ゲームを買った帰りじゃ」
本当にラインとはゲームで契約してんのかよ!
やっぱりレースゲームとかか? いや、ラインくらい速かったら逆に遅く感じてつまらんだろうし、別のジャンルなのかもしれんな。どんなゲームをやるのか気になるが、今は他に聞きたいことがあるからそっちを聞くか。
「ここで会ったのも何かの縁だよな?」
「何だ?」
「実は……『終わらない千夜一夜』と戦うことになったんだ」
「何……っ??」
氷澄はメガネの下で目を大きく見開いて、解り易く驚いていた。
「厄介なロアばかり従えているかと思ったが、お前は本当に厄介なのに好かれるな……」
メガネをついっと上げて、それから頭をかく。その仕草も本当に解り易い男だよな。
「俺は手伝わないからな、あんなバケモノみたいな『主人公』との戦いなんて」
「あれは、本当は心の中で一緒に戦いたいと思ってるんじゃぞ」
「ですね。いか
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