暁 〜小説投稿サイト〜
101番目の舶ィ語
第十二話。デート・ア・ミズエ 後編
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
えるんだ?」

「ふん、キンゾーにやり方を習っただけだ。
ハーフロアの俺ならば、人間離れしたあいつの技も少しは使えるからな」

「馬鹿な……ありえん??」

何教えちゃってんのキンゾー。
いくら氷澄が人間離れした力を持つハーフロアだからって、そんな簡単に技教えたら駄目だろう。

「心配しなくても悪用なんかしない。
それに出来るのはほんの一部だ。流石にマッハは出せんからな。
今は『秋水』(しゅうすい)を取得中だ」

「なんだそれなら安心……出来るかよ!」

『秋水』を教えるとか、何しちゃってんの。あの馬鹿弟は??

「『秋水』?」

「なんだ、パートナーなのに知らんのか。キンゾーが言うには『余すことなく全体重を拳に乗せて放つ一撃』、それが『秋水』という技らしいぞ」

「そうですか。こんな感じですか?」

一之江が近づいて来たと思った次の瞬間。

「かはっ……」

俺の体は5〜6m吹き飛んだ。
ちょ、ちょっと待て!
今のまさか……?

「ふむ。初めて使いましたが、なかなか難しいですね。余すことなく、体重を乗せるのは……」

いやいや、いきなり出来るお前の方がおかしいからな!

「……俺の認識は甘かったようだな。キンゾーほど非常識な人間はいないと思っていたが、お前達ほどではなかったな」

「いやいや、一之江やキンゾーと同じ扱いにするな! 俺は普通の人間だから!」

「普通の人間は秋水をくらって平然と立ち上がらんぞ」

くっ、ラインの奴。こんな時に正論を言いやがって。
言い訳できん。

「ところでお主達はデートか?」

「いえ、荷物持ちをさせた帰りに食事を恵んでやりに行く途中です」

「なるほどな。わらわ達は新作ゲームを買った帰りじゃ」

本当にラインとはゲームで契約してんのかよ!
やっぱりレースゲームとかか? いや、ラインくらい速かったら逆に遅く感じてつまらんだろうし、別のジャンルなのかもしれんな。どんなゲームをやるのか気になるが、今は他に聞きたいことがあるからそっちを聞くか。

「ここで会ったのも何かの縁だよな?」

「何だ?」

「実は……『終わらない(エンドレス)千夜一夜(シェラザード)』と戦うことになったんだ」

「何……っ??」

氷澄はメガネの下で目を大きく見開いて、解り易く驚いていた。

「厄介なロアばかり従えているかと思ったが、お前は本当に厄介なのに好かれるな……」

メガネをついっと上げて、それから頭をかく。その仕草も本当に解り易い男だよな。

「俺は手伝わないからな、あんなバケモノみたいな『主人公』との戦いなんて」

「あれは、本当は心の中で一緒に戦いたいと思ってるんじゃぞ」

「ですね。いか
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ