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101番目の舶ィ語
第十二話。デート・ア・ミズエ 後編
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』同士で会話して下さい。こう、バラっぽく」

バラの意味はよく解らんが、なんか嫌な響きだな。
そんなことを思いながら、一之江が指した先を見る。そこには……。

「あいつは……」

昨日、俺や一之江を襲った男の一人。氷澄(ひずみ)が私服姿の女の子と歩いていた。

「なんだ、デートしてんのか?」

好き好んで女子と出かける奴の気持ちはよく解らん……と言いたいが、今の俺の状況も似たようなものなので声には出さないようにする。

「ですが、なんか見覚えのあるロリっ子ですね」

一之江の言葉が気になった俺は探偵科(インケスタ)で習った足音を立てない歩き方を実践し、近づいて二人の様子を見ることにする。
氷澄はつまらなさそうな仏頂面で歩いていた。デートという雰囲気ではない。
しかし、隣を歩く少女は弾むような足取りで浮かれていた。
まるで対照的な二人の様子だ。

「あれは私服姿のラインさんのようですね」

「……マジかよ」

確かに、言われてみれば……髪型も服装もごくごく普通の健康的な女の子のものだから印象は違うが、よく見れば『境山のターボロリババ』こと、ラインだった。

「なんか声、かけづらくないか?」

雰囲気的に声をかけてはいけない気がする。

「ふむ……」

一之江は二人の様子をしげしげと見つめ少し考え込み。

「『ふふふ、ひーずみっ! 今日はとっても楽しかったのうー』」と、ラインのセリフを勝手に捏造し始めた。
オイオイ一之江そんなこと……と思っていたら、一之江が近づいてきて、俺の耳元で囁いた。
何? そんなことを言えだと?
かなり恥ずかしいんだが……って、解った。解ったから背中を刺すな!
言えばいいんだろう?
すまん、氷澄。一之江の脅しには勝てん……。

「『フン、デートくらいで浮かれるな、ライン』」

「『ああん、氷澄はつれないのう……昨夜はあんなに激しかったというのに……』」

激しかった? 何をやったんだ。 いいのか氷澄、ラインは見た目的には犯罪だぞ。

「『フッ、あれ以上の激しさを今晩も見せてやる……』」

激しかったの意味はよく解らんが、一之江の言葉に乗っかてみた。

「『ぽっ、夜の『音速境界(ライン・ザ・マッハ)』も楽しみじゃな、氷澄……』」

「『ふっ、俺の『厄災の眼(イーヴルアイ)』はいつだってお前だけを見てるさ……』」

見つめ合う二人。
そして、二人は……。

「『氷澄……』」

「『ライン……! ガバァ!』」


「何がガバァだ!」




ゴチン??


「痛てぇ!」

氷澄の頭突きが炸裂した。
この痛み……これは、間違いない。遠山家に伝わる奥義だ。

「何故、お前がその技を使
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