第十一話。デート・ア・ミズエ 中編
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コイツがいるのなら、俺はどんなに怖い、強い存在にだって立ち向かえる。
「……信じてるからな。一之江」
「約束ですよ?」
『貴方を殺すのは私です。私だけが、貴方を殺していいのです。
ですから、私に殺されるまで。貴方は生き延びて下さい』
そんな一之江の声が聞こえたような気がした。
「……っと、そうだ?? 一之江、これ」
俺は右手に持った紙袋を一之江に渡す。
「これは?」
「開けてみてくれ」
一之江は紙袋の中を開けると、その瞳が大きく見開きられた。
紙袋の中から出てきたのは指輪______がチェーンに繋がったネックレス______だ。
『月の光』。
一之江が住む街。そして彼女のロアの名前にもある『月隠』にちなんで月をイメージしたそれを選んでみた。
シャトンbbの店頭に並んでいたそれは、月をイメージした指輪型のネックレス。
イベントが始まる前に店内を物色していた時に目に付いたもの。
それを俺は一之江へのプレゼントとして購入することにしたのだ。
もちろん、代金はイベントの優勝によって無料。
店内価格は……今の俺では手が出せないほどだ。
では、どうしてこんなものをプレゼントしようと思ったのか。
それは______俺の身の安全の為だ。
一之江のストレスが溜まるとそれは周りにいる人物______主に俺に当たるからな。
一之江の精神的なストレスを緩和させ、俺に対する刺突行為を減らす目的と、日頃、世話になってるお礼を兼ねて贈ってみた。
ジャンヌがいない今、女のストレスを緩和させる有効な手段が思い浮かばなかったから、物を与えて懐柔するという手段を取ってみた。古典的な方法だが、上手くいったみたいだな。
「……も、モンジ。これは、一体?」
「そのまんまだ」
日頃の感謝を込めて渡した。それ以外に理由なんかない。
「……受け取っていいんですね?」
「ああ、受け取ってくれ」
「本当に受け取りますよ?」
「ああ、なんなら指輪をチェーンから外して指に付けてやろうか?」
見た感じ、一之江のサイズは……アリアくらいだな。
他の指だと抜けちまうな。
なら……。
「左手の薬指にでも付けるか?」
「……っ??」
俺の言葉に一之江の体はビクッと震えた。
「ん? どうした? なんで震えてんだ?」
「……貴方という人は、本当に……」
ん? 小さな声でよく聞こえないが。
なんでそんな情緒不穏になってんだよ?
「……本当に、真性のバカ、なんですから」
そう言いながら、一之江は俺の右手を左手で掴む。
しっとりとしていてら気持ちいい、細くて繊細な手が俺の右手を包み込む。
「え、ど、どうし
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