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101番目の舶ィ語
第十話。デート・ア・ミズエ 前編
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気に入りなんですから早く来なさい」

へいへい。今行きますよ。
しかし、次行くと言うが何件回る気だ?
女の買い物は長いとは聞くが……まさか、本当だったとは。
もうどこでもいいから早く入ろうぜ。
そう思った俺の視界に、猫のマークのカフェが目に入る。
猫の図柄のマーク……どこかで見たことがあるような気がする店なのだが……姉妹店とかだろうな。その店の隣はセレクトショップとなっていて、店内を覗くと森をイメージしてるのか、棚やケースが全部木製だった。
疲れたし、俺は隣のカフェでひと休みするかー。
そう思ったその時。

「ほら、あそこにある猫のマークのカフェ。あのカフェの隣にあるこの店は『シャトンbb(ベーベー)』というのですが。最近、この街に出来た私のお気に入りの店の一つです」

一之江はそう言うやいなや、店の中を我が物顔でスタスタ歩いて行ってしまう。
見慣れているのか、店員さんも「いらっしゃーい、今日は新作入荷してますよ」などと和かに接客してくる。

「ほら、モンジも来なさい」

店員さんは「おー?今日はカレシさん連れですか?」などと、一之江に尋ねるが。

「いいえ、ただの下僕です」

下僕ってお前な。

「ふふっ、仲がよろしいのですね? お兄さん、頑張って下さいね。
今日は彼女さんにどーん、とプレゼントを送って好感度を上げましょう!」

いや、違うんですって。

「そうですね、たまには貢がせてやりましょう」

一之江は店員さんの言葉でノリノリになる。
悪ノリに直ぐに乗る辺り、一之江は一之江だな。

「……なんだかとても失礼な事を考えられた気がします。
殺しますよ?」

「一之江様は清楚で優しく、大変可憐なお人です!」

……やっぱり心読めるんだな。

「まあ、いいでしょう。
店員さん、今日はアノ日ですよね?」

……アノ日?

「はい、本日は『シャトンbb月隠店&シャトンカフェ月隠店合同イベント☆シャトン・コール☆
優勝者にはお買い上げの商品全額無料引き換えキャンペーン! モフモフナデナデにゃんにゃにゃー』……の日となっております」

……どこから突っ込めばいいんだ。
というか、そのイベント。
よく思い出したら大阪でレキに服買ってやった店がやっていたイベントそのまんまじゃねえかー?? というかまんま系列店じゃねえかー??
何でこの世界にあるんだよ??

「15時からの開始となっております」

店員さんに言われ時計を確認すると、後30分ほどある。

「参加しますよ、モンジ」

一之江の目が怖い。マジだ。
標的を狙う狩人の目になってる。







イベントまで少し時間があるので、その間に買いたい商品を選ぶ一之江と別れ、店内
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