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101番目の舶ィ語
第十話。デート・ア・ミズエ 前編
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色で染まるのもそれはそれで」

「どれがどれだ?? ってか結局俺はグッサリされんのかよ!」

「まあ、それが貴方ですし」

「さらりと嫌な存在認定するな!」

「まあ、軽く人間辞めてる貴方なら素手でナイフを受け止めるなり。相手がナイフを抜く前に倒すなり出来るのでいいではないですか。それはそうと。えーと」

一之江は何故か迷うように斜め上を見て。

「……どっちが私に似合うと思いますか?」

いい辛そうにそう口にした。
えっと。
なんだこれ?
これはどういった状況なんだ。
やっぱりデート的なアレだったのか?
実は一之江は俺のことを……みたいな?
いや、待て。早まるな!
これはアレだ。
これは偽デレ。女が標的を仕留める常套手段。ハニートラップという奴だ。
騙されるな。
武偵の弱点を忘れるな。
金、毒、女。
それらは武偵が堕ち易い弱点だ。
だから騙されるな!

「ほら、ニセデレしているのですから早く乗かって下さい」

「やっぱりニセデレかよ!」

ふぅ、危なかった。早まらなくて良かったぜ。

「当たり前じゃないですか。今はせっかくこういう状況だから試しにそれっぽいことをしているだけで、別に、貴方ノコトナンカ!」

「何で棒読みな上にカタゴトなんだ!
どうせ言うならそれっぽく言えよな」

「嫌ですよめんどくさい」

心底面倒くさそうに言う一之江。
こういう反応を見ると、安心する。
これでこそ一之江だな。

「それで……どっち、ですか?」

手に持ったままの白いワンピースと赤いワンピースを見せてくる。
そんなに俺を切り裂きたいのか!
まあ、切り裂く云々は冗談だとして……冗談だよな? 冗談だったとして。
どっちがいいかと言われても、女性の服なんてよく解らん。
なので。

「どっちでもいいさ。お前はお前だろ?」

お得意の生返事を返す。

「それより、一之江。
今日はありがとうな。わざわざ休みの日に会ってくれて」

からの……話題逸らし。

「貴方から感謝の言葉を聞かされても気持ち悪いだけですよ。本当に貴方は真性のバカなのですね、全く……」

プイっと顔を逸らす一之江。
真性のバカ。
初めて会った時から言われてるな、それ。

「何笑ってるんですか。気持ち悪いです。デュフフとかそんな風に笑ってないで、次行きますよ」

「デュフフなんて笑ってないよな??」

俺の抗議をスルーして一之江はスタスタ先を歩いてしまう。
全く、本当に。何を考えてるのか解らん奴だな。





「ほら、早く来なさい」

一之江の後を追うと、彼女は様々な店の中に入って、出たりを繰り返していた。

「歩くの遅いですよ、モンジ。次の店はお
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