84話 剣士
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トリアはやめんのう」
「我が黒き血は、守り通さねばなりません。トロデーンのその尊き地で、継がなくてはなりませんので」
「弁明も、父と同じよの」
話が、終わっちゃった。始終おいてけぼりにされた僕達は……無表情に頭を下げたトウカを囲ってそのまま城下町に連れ込むことぐらいしか出来なかったのだけど、陛下の小さなウインクが妙に頭に残った。
・・・・
「……これで同じだよ、エルト」
「どういうこと?」
「私はトウカだ。そうだよね?私は剣士トウカ。モノトリアとしての兵士じゃないんだ……」
寂しそうな目をしていた、と思ったら彼女は不意に僕の手をがっしり握った。にこにこして、どうしてか嬉しそうにも見えたんだ。
「これで対等だ、エルト」
「……あぁそういうこと」
そんなに強い剣士で何が対等だって思うんだけど、なんだ。僕は能天気だったけどトウカは気にしてたんだ。
「僕らはずっと親友じゃないか」
手を取って、笑う。それだけで安心が伝わってくる。嫌われるのを何より怯える親友は、対等にもこだわっていたけれどもう……それも叶ったってわけで。
女の子だからなんだっていうんだ。この感情は恋に変わらないって、ちゃんと理解してるから。というか僕には既に……。ううん、それは今はいい。ただ、別に君が気に病まなくたって僕はトウカの親友だから気にしなくてもいいってことなんだよ、ね。
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