84話 剣士
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騙してお側におりましたこと、声を変えて生活しておりましたこと……お裁きください」
「……ふむ……顔を上げよ」
「はっ」
貴族サマの内々の事情なんて分かるものか、男児が生まれなかった貴族は養子をとってまで存続したりするってのは知ってるが。だが……そういえばモノトリアか。血筋の問題でトウカは養子にされたってことだろうな。これだから……。
俺がもっとヤンガスのような筋肉質の力持ちでエルトのように隣にいた立場の男だったら気を利かせることも出来たんだろうがなぁ……なんて美意識が風邪ひいちまう。あぁあぁ。トロデ王、変な事言ったら承知しないからな。
にしても「ヤンガスみたいな強いひとがいい」とかトウカが言い出したら俺はどうすればいいんだ。「エルトみたいな強いひとがいい」でもあんな槍振り回す童顔にはなれないんだが。
要求がかっこいい人、だったらな……。俺じゃないか。
クソッ思考がまとまらねぇ。
・・・・
「騙して、と申したな」
「はっ」
陛下は君主、姫は大事な恩人、トウカは親友、ヤンガスはトウカの味方、ククールは多分思考がめちゃくちゃになってる、だってすごく百面相してから無表情になってしまったから……、ゼシカは……どうだろう。彼女の意思のおもむくままだろうな。ってことは……。あぁちょっと、思考読んで肩を叩かないでゼシカ。分かってる、君のことはわかってるさ。
親友がどういう処分をされるのか分からない僕も……ククールのことを言えないくらい相当混乱してる。ククールがあれからひたすら無表情なのは怖すぎるけど、あそこまでではないって信じたい。無理か、同じくらいかも。
「具体的に……兵の志願。他に声を変えていたということじゃな?」
「その通りでございます」
「ふむ、しかしわしの知っているトウカ・モノトリアは養子、モノトリア長子と名乗っておるが……いつ男と嘘をついたのじゃ?」
「兵の志願であります、陛下」
「ふむ、書く欄がないように記憶しておるがの……トウカや」
「……それは」
あれっ?心配することない?平和な感じ?と、うっかり楽観してしまいそうになる。陛下の声はなんとなく優しく思えた。もちろん、深刻な場面で深刻な声なんだけれど。……そういえばトウカが女の子ってわかれば、トウカは姫と同い年の女の子ってことで……陛下が甘くなる対象、だね。屈強な男が何人相手になっても勝てないけど……。
陛下の目は、優しい。
「トウカや」
「はっ」
「何故今、教えたかは聞かんぞ」
「……はい」
そこは聞いても別にトウカに傷は行かないんです、陛下と言いたくなるぐらいには余裕が出てきたかな……。
茶化してるんじゃなくて、別方向に頭を動かさないとトウカが剣を持ってない違和感で頭が焼き
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