75話 紅玉
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ドに与えることも出来ずにいたんだ。
想定内、だけど……ここまでは正直ね。でも刺した次の瞬間にはすたこらさっさとそのまま逃げ出してしまうのはちょっと想定外だよ!そこまで役立たずとは!やる気なしの意気地なしだなんて!
一人だったらこの試練、絶対の垂れ死んでたこと間違いなし!保証する!……ちゃんとここに来て戦っていたら、の話だよ!そもそもここに来ずに……ベルガラック辺りに逃げてたとは思うけど!この判断、サザンビーク国王はすごく正しかったな!僕らがいなきゃ王子は死んでるなんて!もうちょっと彼を鍛えようとは思わなかったのかな……違うな……王子が全部逃げ続けたんだ。
「こんなに楽しいのになぁっ!あははっはは!!」
「いやそれはそれで怖いよ!」
「それは失礼!」
笑いながら魔物を切り刻むお嬢様も規格外だから彼と比較するのは間違っているけど!ざくり、ざくりと切り裂く程度だからいつもよりは控えめだよって、そういう問題じゃないし!
「ミンチは駄目、サイコロステーキも厳禁!ボクって優しいよねぇ!天然記念物のアルゴリザードくん!メスだったらごめん!」
なんて言いつつトウカは最後にトドメとばかりにアルゴリザードを……曰く鉄板入りのブーツで重く蹴っ飛ばした。頭ではなく腹なのが、そして内蔵破裂しないように僕から見ても分かるほどの手加減をしてるのは……殺しちゃ駄目だからしているだけだけど……確かに、彼女の優しさなんだろうね……。
なんだろう、たったの二回しか攻撃してないのにどっと疲れた。ホイミいるか?と聞いてくるククールは優しいな……ヤンガスが競ってベホイミがいるか聞いてくれるけど……どっちも要らないよ、ありがとうね……一応最前線にいたトウカにしてあげたらいいんじゃない?え、もうしたって?流石はククール。
さっきの王子よりもよほど明確に命の危険を感じて、責めようもない逃げをうったアルゴリザードは小さな赤い宝石を落として逃げていく。あれが……なんだっけ。アルゴンハート、だっけ?目的の。
「きらきらしてる……赤い色。世界三大宝石のひとつ……」
さっきまでのいっそ狂気的な笑顔を引っ込めて真面目な顔になったトウカはそれを拾い上げて太陽にかざした。確かに輝いて、綺麗だ。血より淡い赤色。なんだか守りのルビーより上品な輝きに見える。そして力が湧いてくるような感じがするね。仮に、装備品にしたら力の指輪や豪傑の腕輪と同系列かな?
「失礼いたしました、王子。こちらが戦利品のアルゴンハートです。お納めください」
トウカはそれをぜいぜいいいながらこっちに走って戻ってきたチャゴス王子に慇懃無礼に手渡した。いや、傍目にはただただ丁寧にしか見えない完璧さだけど、僕らにはわかるってだけのことで。
受け取ると一変してまた偉そ
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