68話 因縁
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「……あ、そうだ。ライティアは予知能力を持ってるんだよ」
「へ?」
「中途半端で食い違った世界のしか見れないみたいだから役立たずにも程があるけどね。彼女は私を殺したつもりなんだよね……十八年前に。で、邪魔者を殺して、後は兄上と結婚するつもり……でさ」
「危険な奴でがすね……」
「うん。でも魔法とかも結構なの使える癖に、その予知能力で魔力使い果たしてるから弱いよ」
定期的にあいつの情報は貰ってるからそういうのは知ってる。それから、たとえ万全の状況でも勝てると太鼓判を押されたことも。
バタバタと再び屋敷の中が騒がしくなり、必死でライティアを羽交い締めにする叔父上と、もがいて厚い化粧がとんでもないことになってるライティア、そして止めようとするもライティアの攻撃魔法で威嚇されておろおろする使用人たちが姿を現した。ライティアはご丁寧にも着替えていたけど……誰がスケスケスカートでガーターベルトって言ったよ。上半身も乳が半分出てるってやめろよ。ゼシカのナイスバディの前で霞むだけだろ。清楚に謝れよ。慎ましい格好って言ったろ……。
「ルゼル様!父様が離してくださらないの!お口添えを……」
「すまないな、娘を押さえ込むことができなくて……」
「お気になさらず、叔父上。……ライティアに『強制力』は効かないのですか?」
「あぁ。最近は力が弱まっているらしく、ほとんど意味はない……最も、本家の君とは力が違うが」
「……本家、ね……」
知ってる癖に。全部を知ってるのに。名前を出さずにライティアを興奮させないようにしてくれる叔父上は……優しい方だ。そういう事にしておこう。私の精神衛生上、ね。
……いい加減、ライティアは話してわかる奴だとは思わないのだけど……全部勘違いだって言うべきかな。それとも……。
ギラリと、叔父上の黒い瞳が光ったのに私は気づかなかった。叔母上の呪縛を解いた私は油断していたんだろう……愚かなことに。叔父上はモノトリアとしてふさわしい方だ。だが、母上と結婚したのは叔父上の兄の父上だ。理由はもちろん愛の力もあるのだけど……最大の理由は、とても……弱いってこと。よりにもよって「強制力」に。
「父様!ルゼル様とお話させて『ちょうだい』!」
「……『分かった』ぞ」
ライティアから伸びた紫の鎖が叔父上に絡んでいるのが見える……、実にややこしいことだ。体を離されたライティアは私の前で乱れた服を適当に直して、こっちをくねくねしながら見上げてくる。それ……上目遣いのつもりなんだろうか?身長差はあれど、私とて女だから身長はそう高くないし、無理やりしてるって感じなんだけども。なんだろう、言動を見てるだけでイライラする……。
「ライティアは……ずっとお待ちしておりましたの!
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ