1部分:第一章
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前はインテリアデザイナーで俺は小説家」
言葉も無造作になっていた。
「小説家の瀬戸政行でな」
「瀬戸政行は美男子小説家じゃなかったかしら」
「昔の話だ」
こう言われても言葉を変えない。態度も。
「表に出ることもない。気にすることはないさ」
「そうかしらね。何か面白くない考えに思えるわ」
「格好変えたら何か変わるのか?」
「変わるかも知れないじゃない」
香苗は政行に対して述べた。それでもといった感じで。
「やってみなくちゃわからないわ」
「やって作品が面白くなるならやってやるさ」
言葉にはそんな筈がないだろうという考えがはっきりと出ていた。それを隠すつもりもなかった。どうでもいいという感じの言葉になっていた。
「幾らでもな」
「わかったわ。じゃあまずは証拠持って来るわね」
半分売り言葉に買い言葉になっていた。こうなっては香苗も引くわけにはいかなかった。
「その時は。覚悟しておいてね」
「覚悟するものがあればな」
返事は相変わらずであった。やはり全然意に介してはいない感じだ。
「やってやるさ」
「その言葉、忘れないでね」
こう念を押してから彼女の戦いがはじまった。まずは政行をその気にさせる根拠を探し出す。それ自体はすぐに見つかったのだった。
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