61話 街
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「ベルガラックは明るいね」
「……活気はあるが、噂ほどでもないな」
結構長い時間をかけて魔物を殲滅していたからか、それよりもやっと着いたねというのが正直な感想だよ……。元気にのんびりと会話を続けるトウカとククールも、黙ってはいるけど、ゼシカもヤンガスも、辺りを見回して物珍しさに惹かれているみたいだ。かくいう僕も、来たこともない大陸の街なんだから興味が無いわけがない。
目を何より引くのは、宿屋と併設している大きな建物かな。多分、あれがさっき二人が話していたカジノなんだろうな。全体的に、何とも「都会」っていう雰囲気が漂うお洒落な町並みだ。トラペッタよりも観光に力を入れている感じかな……。
「やる事は聞き込み。もしもドルマゲスに遭遇したら逃げること」
「……遭遇、するか?」
「マイエラの件があるから何とも言えないね。ともかく、一対一だとまず死ぬから」
……トウカがみんなに釘を差していく。そうだよね、此処から先はドルマゲスをはっきり追っているわけだから、何時遭遇してもおかしくないよね……。しかも、トウカの場合は前回一切役に立たなかった僕と違って対峙までしてるわけだし……あぁ、怖かった出来事が思い出される。吹き飛ばされた、屈辱的な痛みが思い出される。絶対に、絶対に……トロデーンのみんなのためにも、陛下の姫のためにも、トウカのためにも、ゼシカやククールの仇討ちのためにも、そして、僕の屈辱を晴らすためにも絶対にあいつだけは自由にさせない……!
「エルト、気負い入れてる所悪いんだけど」
「……何かな、トウカ」
「みんな防具屋に行きたいって言ってるからさ、あっち行こうよ」
気づけば呆れたような顔をしたトウカだけが僕の側にいた。鬱陶しそうに髪を左耳の下に結びながら、やいのやいのと何やら話し込んでいるみんなの方を見る。防具屋の前でたむろしながら盾か何かを物色しているみたいだった。……そろそろ装備を新調したほうが良かったね、みんなも僕も。
「ボクも新しい盾がほしいんだ。自分で買うけど、みんなの意見も聞きたいし」
「……あぁ、盾投げ捨てたりしてたもんね」
「別に壊れてないけど、もっと耐久性のある硬いのがほしい。盾で攻撃できるぐらいのがあればいいなと思ってる」
「……防具屋さんに無茶言わないでね?」
「それぐらいの常識はある」
みんなのところへ行ってみたら、三人で何やら「ライトシールド」とかいう盾をひっくり返したりして調べているみたいだった。発端は……うーん、ヤンガスかな?というより、ゼシカやククールが始めそうなイメージがないから。ヤンガスにも、ないけど。じゃあ、なんでだろ?
「どうしたの?」
「硬さの割に軽いから見てたのよ」
「……真意は?」
「暇だったのよ
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