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剣士さんとドラクエ[
53話 魔声
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「ベホイ……ベホマッ!無茶するな!」
「ごめん!」

 攻撃が狙い通りに当たらないなら適当に攻撃しまくればいいかな、なんて甘い考えはあっさりと打破されてしまう。傷をつけることなく私の攻撃はもぐらに吹き飛ばされただけに終わった。ゼシカのイオラは当たったみたいだけど……、でも、まともに走れるのは私だけみたいだ。なんとかふらふらと立っている皆が危ない。

 巨体を揺らして、ズンと地面を揺らしてくる攻撃が、ダイレクトに体に響いた。防具の関係ない攻撃に、ただでさえ耐久力のない私は……結構危ないかもしれない。この攻撃、三発耐えれる自信はない。

「芸術スペシャルを聴くもぐっ!」

 ……、あ、やばいかもしれない。だって、もぐらの子分にとっては味方のはずのあのボスもぐらの攻撃なのに、明らかにもぐらの子分たちが真っ青になって後退りしてるし……。
 
 そして鳴り響いた魔声とハープの破壊音に、頭がおかしくなりそうになる。……どうにかこうにか耐えて、隙の出来たもぐらを、初めてまともに斬る事はできたのだけど。

「魔物!いや、これは……なに?えっ、ちょっと……あはは、そっちじゃないですよ、姫様!」
「……えっ?どうしたの、エルト……?」
「ベホイミ、それは俺のアイデンティティー……エルトも使えるが、俺のほうがトウカにかけた回数は多いはずだ、違いない。負けてたまるか、俺がどれだけ唱えたと思ってるんだ、スカラスカラ……」
「くくー、る?」
「ねぇねぇ、兄さん……あたし、将来サーベルト兄さんと結婚する!そしたらずっと一緒に居られるね!えへへ」
「……いや、それやばいから」

 ……前回、トラップボックス戦で混乱したのは私だけだった。そもそも私以外はメダパニを食らっていないんだから、当然。この、ボスもぐらの芸術スペシャルとやらが、混乱作用を持っていて、精神を破壊できるなら……魔法的ではあるけれど、魔法でないこの攻撃が、みんなを混乱させてたら……。

 にしても、なんだよ!みんなして現実から逃げないでよ!

「トウカの兄貴、あっしは大丈夫でがす」
「……ヤンガス!ボク感動した……」
「もう一回芸術スペシャルを聴くもぐ!三人しか感動してないもぐっ!」
「……ゲルダ、なんでお前はそんなに暴力的なんだ……俺が小さかった時は……」
「……、……」

 駄目じゃないか!

 でも、食らいすぎて慣れたから、平衡感覚も戻ってきたし……いける、かな。

 腕につけていた盾を外すと、両手で剣を構えた。巨大な手によって叩きつけられそうになるも、軽々と避ける。平衡感覚があるなら、こっちのもの。動きは巨体の割に素早いけど……トロデーン城に居た、はぐれメタルに比べてみれば大したことないし。ふふふ、ふはははははっ!はぐれメタルの討伐は百発百中!この重
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