52話 洞窟
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だけど。
にしても。早くここから出たいな。戦いたい想いよりも。朝、私は誰よりも自由だった。あれぐらいの自由が何よりも好きだな。
・・・・
「……長い」
「同感でがす……」
もぐらの洞窟は広かった。いや、深かったと言うべきかな。同じ洞窟でも、滝の洞窟とは比べものにならないよ。剣士像の洞窟は……ちょっと種類が違うからいいとして。
進めど進めど魔物は襲ってくるし、至る所でもぐらが出るし。なかなか最深層に着かない。アスカンタから奪った宝は多分、仕舞い込んでいるだろうから、奥を目指して居るんだけど……うーーん、なかなか上手く進まないね。
にしても、もぐらたちはボスがどうだの言ってるね?そいつが宝を独り占めにでもしてるのかな?その割には……まあまあ慕われているみたいだけど。以前は良かった、みたいな話をよく耳にするけど……まさか、オセアーノンみたいに何かしらの外的要因でボスが豹変した、とか?
その要因が、ドルマゲス絡みでない事を切に祈るよ。もちろん、ドルマゲス絡みでも情報が全くない今、いい情報源になるんだろうけど、苦戦したくないから。あいつが何かをすると本人の意志とかは関係なく凶暴になるみたいだし。
……そろそろでこぼこな地面を歩いてきたせいか、足が痛くなってきたよ。……あ、ありがとうククール。すかさずホイミが飛んできた。最早、回復魔法のプロだよね……タイミングも、使う魔法も。神父様みたいに人の命を復活させる蘇生系の最高峰、ザオリクさえ習得しそうな勢いだよね。それは、出番がないのが一番だけど。
「出会い頭にスコップを振り上げて襲って来るなら、首を飛ばすことをお返しだっ!」
「……鮮やかな手腕だね」
「もう一丁っ!六体一気!」
前方で一人喧しいトウカにはぼそりと呟いた言葉は届かなかったけど、まぁいいか。魔物を倒し続けるあまり、トウカは魔物が消える青い光に完全に包まれていて、ちょっと近寄るのは躊躇するし。
狭い空間なのに大剣を振り回しているのもあるけど。今こそ双剣を使う時じゃないのかな?好きにすればいいけど、たまに洞窟の壁まで一緒に削れ飛んでるのは気のせい……じゃないよね。結構豪快に抉れてるし……。ちょっとだけ、身の危険を感じるよ……もぐらたちの土木技術を信じよう。
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