51話 盗難
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倒くせぇな」
「さっさと取り返しに行くわよ……」
にしても……昨日は本探し、今日はハープ探しって、僕達物探しばっかりだ。一見、手に入れるべき物である船と一切関係ないものだから……何をするためにやっているのか分からなくなってきたよ……。船を手に入れて、ドルマゲスを追いかけて……。ドルマゲスを追い詰めれるのは何時になるのかな……考えないでおこうかな。
「……軽い、いや、立派なダンジョンだよね」
「そうだね……うわ、魔物」
ようやくトンネルを抜けて出た先は木がポツポツと生える水平線が見える草原で、僕達を出迎えたのは陽の光だけじゃなくて魔物もだった。うん、君たち心底会いたくなかったな……!今イライラしているから当たり散らしたくなかったんだけど……。
「鴨がネギを背負ってきたね!ボク、狩り尽くす!」
「……スカラ」
「ありがとう!」
「スカラ……」
とうとうククールが、トウカのダメージを減らすために補助呪文まで駆使し始めて……。多分、四、五回は魔力が枯渇すると思うけど、頑張って欲しいな……。
迫る魔物に向かってめいめい武器を構えた僕達は慣れたように何時もの隊形になると、じりじりと進みながら魔物に襲いかかった。……じゃないな、魔物が襲ってきたから、命を奪われるのを防ぎにいっているんだよね。あはは、決して八つ当たりとかじゃないよ。早く進みたいから攻撃が何時もより激しいだけじゃないか。こいつらが全部逃げてくれたなら楽なんだけどな。
思わず目の前の魔物を睨んだら、その周辺にいたやつらが逃げていったのを見送りながら、逃げなかった奴らに槍の突きのプレゼントをしておいた。
そんなことをしていたら、僕にもククールのスカラが飛んできたんだけど、それってどういう意味なんだろうか。まさか僕も……トウカ並に攻撃を受けるとでも……?いやいや、僕はククールと同じ後ろで戦ってるじゃないか!別に今回突撃したりしないよ!ほら、今日もトウカ、絶好調じゃないか……!むしろ何時もより元気じゃないか……始終魔物の生首飛んでるし……。
「ベギラゴンッ!」
「イオラッ!」
何となく、モヤモヤとしたときは魔物を焼きつくしたくならないかい?というわけで、最近覚えたばっかりの火炎魔法を炸裂させておいた。ほぼ同時に叫んだゼシカの魔法もあったから、魔物が全滅したから調度良かったかもしれない。
背後で溜息が聞こえたのは気のせい、かな。
・・・・
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