47話 古代船
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
よりも真面目に魔物のトドメを差しに駆けずり回っているからそんな事は出来ないみたいだ。
……一番迷惑を掛けているのがククールだとしても、二番目は間違いなくヤンガスだね。いや、ゼシカにも掛けているんだけどさ。
「そりゃ、この世界の摂理を無視した動きだからに決まってるじゃないか。魔法と同時に攻撃するとか、魔法をいっぺんに二つとか、二回分使うとか、はやぶさ斬りとか、さみだれなんとかとは違った意味で複数行動すると制限を食らうんだよ。……聞いてる?」
「あ、ごめん。でも、聞いてたよ」
「ならいいけど。そういう事をするのは魔力がないのに無理やり攻撃魔法を使おうとするようなものさ。分かり易いのはメガンテ。それでも少しだけ魔力を要求してくるけど、とんでもない制限……というか、対価を要求してくるだろ」
……分かったような、分からないような。でも、それなら慣れたら関係なくなるみたいな言い方をしていたトウカは、連続攻撃の対価を払っていないってことかな?慣れたら要らなくなるものかな?
「疑問が顔に出てるよ。答えはノーだよ。だからボクは普段から耐久力がない。もちろんそれだけじゃないんだけど、原因の一端ではあるね」
「……ざっくり言えば、火力の変わりに守備を失うんだ」
「そういうこと。辞めといた方が無難じゃないかな?ボクのように馬鹿みたいに力を求めるんじゃないならさ」
……あ、戦闘狂の自覚はそれなりにあったんだね。って、そうじゃないよ。ククールとゼシカがこっちを見ながらなんかこそこそ喋ってるけど、それも置いといて。何だかんだ言って二人、打ち解けたし、仲良くなったよね。恋は生まれそうにないけど。……そうじゃない!
僕だって、力が必要なんだけどな。でも、確かにトウカは耐久力がない。ククールを主とした、浴びせるような回復魔法と、呆れるほど出てくるアモールの水や薬草が無ければ今ごろ生きているのか分からないぐらいに。回避率こそすごいけど、それじゃ足りていないんだから。
……あんな回復をしなくちゃいけないのが二人になったらパーティを維持できないよね。そうだね……諦めるよ。
「あ」
「何さ……あっ」
戦闘と、会話に夢中になっていて気付かなかったけど、何時のまにか僕たちは大きな古い船の前で、近くにいる魔物の全て屠っていたのだった。辺りには、散らばる魔物の死骸が転がり、それらは次々と青い光になって散らばっていく。余りに不思議な形をしたその船に僕たちが見とれている間に光は四散していった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ