44話 再会
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
・・・・
恥ずかしながらメダパニで自分を見失っちゃっていて、随分とみんなに心配をかけたようだ。
……私もまさかあのタイミングでメダパニで錯乱して、記憶を吹っ飛ばして、とうの昔に殺してしまったはずの「桃華」が出てくるなんて思ってなかったんだ……。
最悪の事態である、味方を殴るとか、蹴りとばすとかいうことはないのが不幸中の幸いだけどさ。そんで、ダメージを一番受けたのが自分ですっ転んだ私。恥ずかしいにも程がある。二番目は魔物に追いかけられた(と思っていた)ときに噛まれてたらしい。気づかなかった。ってことはみんなは無傷か。嬉しいことだ。
混乱状態でも魔物を撲殺してるし、まぁ結果的には良かった、かな。うん、ということにしておこう……ばっちりあの時の記憶が残ってるから、ククールを殺しかけてた自分を殴りたいんだけど。エルトたちは影すら見えもしなかったし、本当に魔法って怖いね……。
足元でキラキラ輝いていた、水色の宝石を拾い上げる。手のひらに乗せてみれば小さな小さなスライムでも乗せている気分になる。ビーナスの涙という名前のまんま、涙の形をした宝石だった。吸い込まれるように透き通り、心無しか輝いているようにすら見える。確かに世界三代宝石だ。
忌まわしい記憶しかない、最初に見た三代宝石といえば、リーザスの塔のてっぺんの、リーザスの像の目。クラン・スピネルだ。あれと違って何の魔力も感じないけど、確かに美しさは勝るとも劣らないね。最後はサザンビーク王家のアルゴンハートだっけ?どうでもいいけど。
……これなら、ゲルダは交渉を「考える」じゃなくて「認める」に変えてくれるかな?まぁ、「認める」から、交渉に「頷く」に変えてくれるのが最終目的なんだけどさ。
「さて、じゃあ戻ろう」
「急ごう、みんな」
みんなが頷いたのを確認したゼシカが帰還魔法リレミトを早口に唱えた。メダパニとは全然違う種類の黄色い光が私達を包み込んだ。
・・・・
「あ、ボク、中に入ったら自分でも何やるか分からないから、外にいるね」
ここは敵のアジトだ。ここにいるのは……魔物ほど敵じゃないにしても、少なくとも、味方ではないよね。なら、私は今度こそ陛下や姫様をお守りしないと。
それに、ゲルダが言う内容によっては本当に私が何をしでかすか分からないっていうのは本当だし。あの小奇麗な小屋を傷付けてもいけないだろうし。大人しく危険人物は外で待ってるよ。良い返事を待って、ね。
「分かったよ」
「外は任せて」
「正直トウカが外にいるだけで、ここを包囲してるようなもんじゃないのって思うのだけど」
「言っちゃ駄目だ、ゼシカ」
……うん、ちょっと意味合いが違うみたいだけど信頼されているようで何より。魔法が無いなら私は簡単にやられ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ