第百四話
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ドのメンバーが安全地帯から出発していく。先頭をセブンにしたメンバーは、まるで統率のとれた軍隊のようでいて。改めてセブン――七色・アルシャービンという、一人の人物が及ぼす影響力とカリスマを感じさせた。
「うひゃあ……やっぱり凄い人数……ねね、これだけの人数仕切ってるセブンって子、どれだけ強いのかな」
シャムロックの他のメンバーがモンスターが出なくなるまで狩り尽くしたのか、敵モンスターも出ない快適な移動の最中。フルレイドのパーティーでの討伐戦が初めてらしいユウキが、せわしなく辺りをキョロキョロと眺めながら聞いてきた。最終的に強いか否かに収束するのか――と思っていると、ルクスもどうやら同じことを思ったらしく。
「ううん。セブンはキャラをこの前作ったばかりらしいから。凄く弱いんじゃないかな」
「えぇ!?」
特に隠すこともなく公開していることなので、セブンのファンという訳でもない俺も知っているが。スメラギや他数名の仲間は先んじてログインし、この世界がどんなところか調べていたらしいが……セブンはその調査が終わってからの登録だったらしく、あまりスキルレベルが整っていないらしい。……そんな状況を、シャムロック目当てで登録してきた初心者を、『私と一緒にレベリングしよう!』と誘うために使っているそうだが。
「でもレベル低いのに、こんないっぱいの仲間とフロアボスなんて……なんかちょっと、ズルい」
「そうだな……今もPoP切れまで狩っといたみたいだし……」
ルクスからそう聞いたユウキとキリトから、どことなく不満げな声が――キリトの言うことは半ば分からなかったが――漏れる。確かに、その気持ちも分からなくもないが……
「まあまあ、別に人様のプレイスタイルなんていいじゃない。弱い子がフロアボスに挑む――なんて、ギャップが好きな男も多いみたいだし?」
リズの仲裁と同時にこちらに飛び火し、俺とキリトは同時に顔を背けた。平常心で笑ったまま、特に動揺しないでいるテッチが心底羨ましい。
「テッチ、そうなの?」
「いやぁ。僕は殺しても死ななさそうな人の方が好みかなぁ。どうですか、お二人は」
「黙秘する」
「俺にはアスナがいるから」
さらりと恐ろしいことを言ってのけた、テッチから振るわれた暴投を、俺は避けることに成功する。だがキリトは、対照的に見事にキャッチしてみせる。そんなキリトには、メンバーから感嘆の声と拍手が送られたが、俺にはリズからの横腹への痛烈な一撃のみが見舞われた。
「あ、着いたみたいだよ!」
「ちょっと待ってくれ横腹が」
「……悪いけど。今のはショウキさんの自業自得だ」
ルクスにすらフォローされなかった、俺のダメージを受けた横腹の回復を待つこともなく、フロアボスの
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