機動戦艦ナデシコ
1304話
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なかったのだから。
俺というイレギュラーがこのナデシコに乗っているのは、色々な意味で特殊な事情があるからに過ぎない。
……うん? 待てよ? 原作通りの流れだと、この場合どうなってたんだ?
そもそも、このユートピアコロニーで行われた木星蜥蜴の攻撃をどうにかして防ぐ事が出来たのか?
エステバリスが数機出撃したくらいではどうにもならない程の数だったが……
だからってディストーションフィールドを展開していれば、ユートピアコロニーの地下にいた奴等は全滅してただろうし。
ああ、もしかして原作だとここまでナデシコで来なかったのか?
それならディストーションフィールドを張って撤退するくらいなら何とか出来たかもしれないな。
グラビティブラストは……って、もしかして敵がディストーションフィールドを展開するようになったのも俺の仕業じゃないよな?
ミロンガ改があまりに強過ぎたから、それに対抗してとか。
原作の流れが分からないと、こういう時の判断に困る。
でもぶっちゃけミロンガ改もそうだが、ナデシコが地球でチューリップに頭から突っ込んでグラビティブラストを撃ったってのもかなり大きいと思うんだが。
ま、どっちが理由なのかは今更俺が考えても仕方がないか。
「そうね。確かに戦力的な意味では全く問題がなくなったと言ってもいいわ。けど、私達が地球に行きたくないと言っているのは戦力的な問題以外にもあるのよ」
「それは何ですか?」
艦長の真っ直ぐな質問に何か感じるものがあったのだろう。イネスは薄らとした笑みを浮かべる。
「いい? 私達はこの火星に住んでいた。そこに木星蜥蜴が襲い掛かって来たのに、地球の人達は自分達の事だけを考え、あっさりと火星を……私達を切り捨てたの。自分達を裏切った相手が再度手を伸ばしてきたからといって、それをすぐに信じられると思う? どうせまた何かあればすぐに切り捨てるでしょうね」
そう告げるイネスだったが、ふとそんなイネスの様子に疑問を抱く。
いや、言っている内容はもっともであり、なんらおかしなところはない。
一度裏切られたという意味では間違ってないのだろうし、それを恨みに思っている者が多いのも当然だろう。
だが……その割りに、イネスの言葉には殆ど恨みや憎しみが存在していないように思える。
それどころか、イネス本人はまるで恨んですらいないような……
「それは! あのまま火星を戦場にしていれば、補給線の問題もあって地球は今よりももっと被害が大きくなっていたんですよ!? 寧ろ、あそこで退いたおかげで、まだ今地球は戦えていると言ってもいいんです」
連合軍贔屓のジュンとしては、どうしても連合軍を庇う形になってしまうのだろう。
また、それは事実でもある。
俺がこのナデシコ
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