機動戦艦ナデシコ
1304話
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たプロスペクターもまた同様に頷きを返す。
「ええ、ええ。こちらとしても出来ればそのようにして貰えると助かります。ナデシコの中の平穏の為にも……」
「そうか? 分かった。なら、基本的には緊急時以外は使わないようにしよう」
「……で、アクセル。私を驚かせるって目的だけでこういう事をしたのはいいけど、彼女の方にはきちんと自分で説明しておきなさいよ」
そう告げるハルカの視線の先にいたのは、何かを我慢しているようなエリナの姿。
まぁ、自分が部屋を出た方が早いのに、こうして俺達の方が先にブリッジにいれば驚くか。
しかも、部屋を出る時にああいうやり取りをしてるんだし。
「アクセル……後でちょっと話があるから」
何かを言い含めるように告げるエリナに、俺はただ頷くしかなかった。
そんな場の空気を読んだのか、艦長は手を叩いてブリッジにいるメンバーの注意を引く。
いや、艦長の事だから別に空気を読んだとかではないんだろうな。
ただ偶然そんな形になっただけで。
単純に俺達やエリナがここに呼ばれていた面子の中でも最後だったって可能性もある。……いや、そっちの可能性の方が高い。
そんな俺の思いを余所に、皆の視線が自分に集まったと判断した艦長は口を開く。
「はい、それで皆さんに集まって貰ったのは、これからナデシコがどうするかを考えて貰う為です」
「うん? 艦長、スキャパレリプロジェクトっつーのは火星に生き残ってた奴等を助ける事なんだろ? ……まぁ、ネルガルには何か別の目的もあったみたいだけどよ」
言葉を一端切ったウリバタケが、視線をプロスペクターの方へと向ける。
だが、言われた本人は特に気にした様子もなくいつものように胡散臭いように見える笑みを浮かべたままだ。
「とにかく生き残りを助けたんだから、後はもう火星から脱出して地球に戻ればいいだけなんじゃないか?」
ウリバタケの口から出た言葉は、この場にいる殆どの者達も同意見だったのだろう。
だが、その言葉に真っ先に否を唱えたのは当然の如く火星の生き残りを代表してこの場にいるイネスだった。
「ユートピアコロニーの地下は敵に見つかった可能性が高いから大人しくナデシコに乗ったけど、相変わらず地球に向かいたくないという人も多いの」
「何でだ? 木星蜥蜴に勝てないって話は、アクセルのおかげで心配いらなくなっただろ? あれだけの戦力を個人で倒すだけの力を持ってるんだから」
その言葉に若干不満そうな表情を浮かべるヤマダ。
いや、ヤマダだけではない。リョーコ、ヒカル、イズミの3人も表に出さないようにはしているが、不満そうな表情を隠しきれてはいない。……特に感情が表に出やすいリョーコは。
当然か。本来なら自分達がこのナデシコを守らなければなら
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