5部分:第五章
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やはり博士もいた。彼はその周囲を見回してゆっくりと前に出た。
「ここはのう」
「何かえらい時代に来ちゃいましたね」
小田切君はここに至ってようやく考えをまとめこう呟いた。
「すぐに革命とかに巻き込まれるんじゃ」
「だとしたらそれはそれで面白いことじゃな」
博士にとって革命もまたイベントの一つでしかないのだった。
「わしを勘違いしてギロチンに送ろうものならじゃ」
「どうするんですか?」
「その革命家共全員あの世送りじゃ」
からからと大笑いしながらの言葉だった。
「逆に全員生体実験でまず首を回転式電動ノコギリで切断してやるわい」
「その場合麻酔はするんですか?」
「麻酔?わしは生体実験や手術ではそんなものは一切使わんぞ」
これが博士の流儀である。
「さもなければ痛みや恐怖で苦しみ怯える姿を見ることもできんしあの断末魔の素晴らしい絶叫を聞くこともできんじゃろうが。何が面白いのじゃ」
「それがなければ何の意味もないんですね」
「何のやる価値もないわ」
実にわかり易い博士の趣味であった。
「麻酔なぞを使ってはな」
「よくわかりました。それでは」
「わかってくれればよい。とにかくわしを革命家とみなせばそれで終わりじゃ」
「それは絶対にないよな」
「ねえ」
しかし二人の足元でまたライゾウとタロが話すのだった。
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