第6話『邂逅』
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で少し話さない?」
「え…?」
「(え? 莉奈、お前…)」
「(しーっ! 折角だから仲良くなっとこうよ? 晴登もその方が嬉しいでしょ?)」
「(な…!)」
「どう…かな?」
「…わかりました。良いですよ」
あの時のように足早で去ろうとした彼女を私は引き留めた。その行動には、その子どころか晴登まで驚いていたけど…。
でもそんな晴登を無理矢理納得させたし、彼女からも了解を得たので、近くの公園に寄って、3人で話すことにした。
「戸部 優菜ちゃん、12歳。通うのは日城中学校」
「綺麗に予想通りだったな」
「え、予想…?」
私たちが今話している女の子の名前は戸部 優菜ちゃん。私たちと同年代である。
名前以外が的中したので晴登がそう口走ると、自分のことが予想されてるということで優菜ちゃんは驚いていた。
「晴登ったら、最初に会った時から『誰だ?誰だ?』ってずっと言ってたのよ」
「は!? 俺そんなこと言ったか!?」
「似たようなこと言ってたじゃん」
「それでも盛ってないか!?」
「2人は仲が良いんですね」
「え? まぁ幼馴染みだしな」
「そうね。昔からだもんね」
優菜ちゃんが言ったことは間違っていない。「喧嘩するほど仲が良い」とはよく言ったものだし、私と晴登はこれくらいの軽口は日常茶飯事だ。仲が良いからこそである。
「優菜ちゃんは何組なの? 1組以外だよね? これからも話したいし、知っておきたいな」
私がそう言って訊くと、優菜ちゃんは快く答えてくれた。
「2組ですよ。私もお話したいです」
「だったらもう敬語は止めようよ? 私たちは同級生なんだし」
「!」
私がそう提案すると、優菜ちゃんがちょっと驚いたような顔をする。敬語以外話せないとか? …さすがにないか。
でもさっきから優菜ちゃんの話し方はやけに丁寧だった。だからやっぱり私たちだけにでも気軽に話し掛けて欲しいかな…なんて。
「…いえ、私はこの方が慣れているので。今すぐにはちょっと…」
「ならしょうがないかな!」
優菜ちゃんの答えに私は満面の笑みで返す。
今は無理でも、今後慣れていけば大丈夫だろう。
……全然人に慣れない人は隣に居るけど。
「晴登もちょっと話せば?」
晴登だ。さっきから私とは話しているが、優菜ちゃんとは関わりを持とうとしてない気がする。
初対面の人が苦手、いわゆる人見知りだけど、なかなかどうして克服できない。
せっかく女子と話せる機会は多いんだから話せば良いのにね。思春期とかいうやつ?
「え!? えっと、今回のテストはどうだったんで
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