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剣士さんとドラクエ[
36話 目的
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さで……傾向が強いと表す程度なのか?

「トウカに関してツッコミいれてたらキリが無いから辞めときなさいよ」
「そうなのか……」
「躍起になるだけ無駄だよ」

 ゼシカ、エルトと順に言われ追及を止めさせられる。ヤンガスは何も言わずトウカと地図を見ていたが時折睨んでくる。へいへい、あんたが尊敬している兄貴には失礼なことはしねぇって。……最初に一目惚れしちまった事以外はな……。本当に俺、どうかしてるぜ。そろそろ諦めろよ……。

 にしても、トウカはお貴族様、か。確かに一介の旅人や薄給の兵士にしてはご立派な剣を持っているとは思っていたが……。いや、トウカにしろ、その同僚のエルトにしろ、エリートコースの近衛兵だったか。

 まぁ、それにしても武器が立派ではあったが……。それだけだったから気付きもしなかった。服装も丈夫そうな服にしか見えないしな。確か下に鎖帷子を着込んでるだとか言っていたが、知らなかったら分からないもんだな。とりあえず服装やらでは分かりもしない。口調も一人称も庶民と何ら変わりないし、滑らかだ。演技にしては出来すぎているからきっと慣らしていたか、貴族でも下っ端の貴族なのか。

「あ、魔物見っけ!」
「ヒャド!」
「取られた……」

 本当に貴族だよな?愉快なエルトご一行の一員しか見えないんだが……。

 傍から見れば俺も愉快なエルトご一行の一員である事も忘れて失笑すれば、その隻眼で目敏く見つけたトウカに注意された。やれやれ、退屈は当分しないようだな……。

 先頭にトウカ……というよりは単騎突撃して突出しているトウカ、その次にエルトとヤンガス、その後ろに馬車、最後に俺とゼシカというフォーメーションで進む。とはいえ、突撃したトウカはわりと定期的に戻るからわりと固まって行動している。

 前衛のエルトと後衛の俺が普通に会話出来る距離だしな。襲い来る魔物はだんだんと強くなってきているのを感じるが、まぁ問題はない程度だ。数は減ってるからな。

 ……問題無いと言いながらも、この前エルトに渡された盾が大活躍しているが。武器はけして鈍くはなっていないが、あまり攻撃が通っていない気がするから替え時だとは思うがな。にしても……。

「トウカに気を取られて気付かなかったが、エルトお前……強いな」
「悪かったね目立たなくて」
「なんでそう取るんだか……」

 俺の頭ひとつ下の身長に女顔のトウカが馬鹿でかい剣を振り回したり、鉄格子を素手で破壊したら誰でも霞むだろうよ。しかし、見た目はそこらの町や村の住人でも居そうな細身のエルトが扱う槍は鉄製で到底俺が振るえるような重さではないようだ。しかも相当扱いが上手くて、だ。ヤンガスは見ての通り腕っぷしが強いんだろうし……まさか俺はパーティ内では力が弱い方……なのか?


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